中東工科大内の道路計画、アンカラ市と環境都市計画省が推進
2017年08月27日付 Cumhuriyet 紙


アンカラ広域市が求めている中東工科大学(ODTÜ)に道路を通す要求の背後に、環境都市整備省が(同大学の敷地の)保全の基本計画を隠したことが明らかになった。ODTÜ敷地内への「トンネル道」及び「西地区道」と呼ばれる計画によって大学の何ヘクタールもの土地と自然を奪うことにも繋がる。1980年代以来奪われてきたODTÜの敷地は100ヘクタールを超えた。

アンカラ広域市のメリフ・ギョクチェキ市長が「この道路を建設するかそれとも建設するか」と言いながらODTÜの敷地内で元に戻せないほどの破壊につながる計画の詳細を明らかにした。8月22日に高等教育機構(YÖK)のビルでイェクタ・サラチYÖK理事長とエルジャン・トパジャ・アンカラ知事、ギョクチェキ広域市長とムスタファ・ヴェルシャン・キョクODTÜ学長が参加して大学の敷地内の道路建設計画に関する会議が行われた。会議の後、ODTÜのキョク学長は教員らに、大学内の通過を妨げない計画になっている道路建設との戦いを説明した。

■省が隠蔽

キョク学長がOTDÜの教員に伝えた情報によると、大学の敷地内で計画されている「トンネル道」計画のために、環境都市整備省が2015年6月に可決したOTDÜの保全を目的とする基本計画は最後の計画変更で消された。同省が宣言した最新の計画変更発表報告書の可決計画4.4にOTDÜの保全を目的とする基本計画が載っていないことが、大学執行部の注意を引いた。同省の計画変更で記された計画のメモには、OTDÜの保全を目的とする基本計画に記されていた「……トンネル開通のため地上での作業もしくは建設は行われない」とする判断も消された。OTDÜ執行部の反発に対し「トンネル道」に関する計画変更が行われたものの、大学に関する会議が行われず、省の計画がOTDÜの保全を目的とする基本計画の原則に全く適していないことが明らかになった。

■自然が完全に破壊される

YÖKで行われた会議で検討された「トンネル道」計画で、ギョクチェキ広域市長と環境都市整備省は、ODTÜの敷地を保全する代案の代わりにそれを奪う計画を「コストが高い」と言いつつ擁護したことが注目された。OTDÜ執行部は、「この方法はキャンパスの全体性と自然環境を完全に破壊することになる」と評した。OTDÜ執行部は、トンネルは決して開削工法で作られないことが必要だと述べ、要求されたビルケント大通りとマラズギルト大通りを繋ぐため唯一の解決策は、地下約30mに開通されるトンネルによるものであると述べた。議論は約2時間続き、その後OTDÜ執行部の提案が承認され今後この件に関して合意文書に調印されることが予定された。

■OTDÜは無視された

OTDÜからの土地収奪に道を開くもう1つの計画は、「西地区道」計画だ。バシュケントに新たに作られる都市病院とともに議題に上がり、OTDÜの西側の敷地に建設が計画されているこのプロジェクトは、6月22日に県環境都市整備局の自然遺産保護部によって取り上げられた。大学の反対にもかかわらず、環境都市整備省自然遺産保護総局はこの見解に注目せず、計画の変更を行い取り上げた。計画変更の一環として、OTDÜの敷地内に長さ約4.8km幅約50mの道の開通が計画された。

■35ヘクタールが奪われる

OTDÜ執行部は、大学の敷地をコンクリートで締め付ける道路に対する科学的説明と道路委員会による2つの代案を提案したものの、道路の大部分が谷となること、道路建設に適していないことを理由にこれらの代案は評価されなかった。そしてOTDÜの敷地のうち約35ヘクタールを利用されることが計画された。OTDÜはさらに損害を最小限にするため道路を計画より狭めること、OTDÜに隣接する場所の一部を敷地として大学に与えること、道路とOTDÜの間に街路樹を植えることといった案を挙げた。

■80年代以来OTDÜは収奪されている。

大学が設立された時代から今日に至るまで、トルコ最大の敷地を持つ大学であるOTDÜは、1980年以来約100ヘクタールの敷地が道路建設の名目で奪われたことが明らかにされた。80年代以来OTDÜの敷地が自治体や公共組織に与えられることに対し、大学が利用している土地が明らかにされる研究が速やかに開始されることが決定された。

1990年以来奪われたOTDÜの敷地は以下の通り。
1982~2015年、ビルケント大通り:10ヘクタール(アンカラ広域市)
1989年、トゥラン・ギュネシ大通り:5ヘクタール(TCK)
1994年、アフラトゥベル・ヨンジャ交差点:13ヘクタール(TCK)
1995年、チェヴレ自動車道:40ヘクタール(TCK)
1998年、国防省:22.4ヘクタール
1999年、TED都市計画プラン:9ヘクタール(ギョルバシュ市、アンカラ広域市)
2007年、インジェク大通り:5ヘクタール(アンカラ広域市)
2015年、マラズギルト大通り:13ヘクタール(アンカラ広域市)

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:43301 )