イラクのモースルやタル・アファルで、IS(イスラミック・ステート)の掃討作戦が進んでいるが、その過程で家族と共に降伏したテロ組織のメンバーの中に174人のトルコ人が含まれていることが判明した。降伏したトルコ人のISメンバーについては、MIT(国家諜報機構)が調査している。ISから脱走してトルコへの入国しようとするテロリストに対し、国境警備隊は警戒態勢だ。
テロ組織・ISの拠点であるイラクのモースル・タル・アファルの掃討作戦や、シリア・ラッカの包囲作戦により、ISは活動計画の変更を余儀なくされた。モースルと、トルクメン人の都市であるタル・アファルでISの掃討作戦が始まったのに伴い、多くのIS戦闘員がこれらの都市からシリアへ脱出し、またメンバーの半分が降伏したと報じられている。戦闘員とその家族は、イラク軍、ハシディ・シャービ軍、ペシュメルゲ軍に対して降伏したが、その中には174人のトルコ人が含まれているとされる。MITは降伏したトルコ人の身元を追跡しており、彼らの今後については追って説明するとしている。ISを脱走しトルコへの逃亡を望んでいるテロリストもいる可能性があるため、国境警備隊に注意を促した。この注意では「テロ組織ISがここ最近の軍事作戦で大きな損害を受けており、イラク・シリアで武装解除に入っているテロ組織から脱走したメンバーが、密入国業者を通じて、あるいは難民に紛れ込んで国境を超える可能性があるので、この件に関して必要な注意を払うように」とされている。
情報筋によると、IS系の雑誌、ホームページ、ソーシャルメディアの分析によって、ISの司令部が兵士に対して「暗号」メッセージを送信し、「作戦を実行せよ」との命令を送ったと解読された。組織の各部署と繋がりを持たず、単独で行動する「一匹狼」の兵士が、トルコをも標的としていることがわかっている。
トルコはISの活動による脅威を警戒している。諜報・テロ活動への対策部隊は、ISと繋がりを持つ人と組織の各部署を追跡の対象とした。2017年のここまでの8カ月の間に行われた軍事作戦では、ISと繋がりを持つとされる2907人が身柄を拘束された。コンヤとアンカラで活動の準備をしていた部隊の拠点が制圧され、コンヤでは5人、アンカラでは2人の計7人のISメンバーが死亡した。
■息子3人の内2人はタル・アファルで死んだ
この度、ディヤルバクル大学の教員であるŞ.İ助教授の3人の息子はISに参加し、3人の内スレイマン・ベンギと、双子の1人であるディラルが、タル・アファルでの戦闘で死亡したという。
ISに参加した兄弟の内、ディルシャトはタル・アファルで軍事作戦が開始される前に現地を脱出し、ISの支配下にあったラッカに入った。45日前、ディルシャトはインターネットを通して家族と面会し、彼はISからの脱走を望んでいるが、ISは脱走者を処刑しているために脱走できないと言っていたとされる。この会話の後、ディルシャトから家族への連絡はない。ヒュッリイェト紙は2015年3月20日付の記事で「3人の息子がISに参加」という見出しで3兄弟がISに参加したことを第1面で報じている。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:43359 )