「賢いヌーリエ」皆をだます―大学入試試験で詐欺行為
2017年09月09日付 Hurriyet 紙


職業高校在籍時、1日に二時間の睡眠時間で勉強し、ハジェッテペ大学医学部に合格したと言っていたヌーリエ・カルクマズが、ÖSYS(学生選抜選定システム)の書類で偽造を行っていたことが明らかになった。「試験の成功」として取りあげられ、国民教育相イスメット・ユルマズとも面会したヌーリエが実際に合格していたのはイスタンブル大学地理学科だった。

 キュタヒヤ県のデヴレト・ハトゥン職業技術アナトリア高校ラジオ・テレビ科を卒業したヌーリエ・カルクマズは、8月8日に2017年のÖSYSの結果が明らかになると、その手にハジェッテペ大学医学部に合格したことを書いた書類を持って校長のもとへ走ってきた。書類を見た校長はヌーリエを連れてキュタヒヤ県国民教育局長サバハッティン・ドゥルゲルのもとへ連れて行った。そして一緒にヌーリエのこの成功を国内外のメディアに知らせた。しかし、この時、だれ一人として、受験者のトルコ共和国個人識別カードと暗証番号によってアクセスされる情報を検索してみようとは思いつかなかった。誰もが、4人の子供のいる、労働者家庭の、職業高校に在籍する娘の成功を誇りに思った。さらには、8月23日に国民教育相イスメット・ユルマズが彼女を祝福するため国民教育省に招待すると、彼女は教師たちと一緒に、誇らしげに写真に納まった。ヌーリエは自分をインタビューしたヒュッリイェト紙には、1日に二時間の睡眠時間でやりくりして1000の問題を解き医学部に合格したこと、この成功が全職業高校の生徒たちの手本になることを望んでいると語っていた。

 しかし、その後ヌーリエが見せた試験の結果の書類に、疑いの目が向けられるようになった。ヒュッリイェト紙がこの問題について共同調査を行った教育学者のサリム・ユンサルは、2017年のYGS(高等教育試験)、LYS(大学選定試験)そしてÖSYSの成績書に矛盾を見つけた。関係者へこの成績書について尋ねられたことにより、真実が明らかになった。ヌーリエは実際には大学入試の最初のステップであるYGSの成績書の点数を偽造してこの芝居を始め、次にLYSとÖSYSの成績書についても、まったく気づかれないように、この偽造を続けていた。

■ハジェッテペ大学:私たちの学生ではない

 サリム・ユンサルの調査では、はじめにLYSの成績書に書かれていた点数が成績順番と合致しないという点がみつかった。通常で528点、MF-3配置点を取った学生は、成績順位はおおよそ400番目になるはずだが、ヌーリエは、1400番代だった。さらに成績書において数学が75問正解、5問不正解であった点も注意を引いた。この成績書によれば合計で80問ある。しかし、この年のLYS1では、キャンセルされた二つの問題のせいで評価は78問で行われた。ヌーリエが75問正解であるならば、最大でも3問が不正解でなくてはおかしい。

ハジェッテペ大学医学部の関係者も、医学部合格を果たした学生たちの中にヌーリエ・カルクマズは存在しないと述べた。ハジェッテペ大学に手続きをしたと述べ、アンカラの親戚の家に引っ越したヌーリエが実際にはイスタンブル大学地理学部に合格していたが、そこには手続きをしていなかったことがわかった。警察関係者は、この少女について「文書偽造」や「詐欺」の容疑で対応をすることを明らかにした。

■書類の枠の数を間違えた

 偽の書類の点数のコンマの後にある部分が、ÖSYSの結果システムでは5つの枠があるにもかかわらず、ヌーリエが示した成績書には3つの枠しかなかった。また、試験結果の書類で、加算点を加えた成績順位は、通常の成績順位よりも上に位置するばずだが、彼女の書類では下に位置していた。偽の2017年ÖSYSの成績書に記されたハジェッテペ大学医学部の登録住所も誤りである。さらに医学コースにはMF-3の点数が必要だが、彼女の成績書にMF-4の点数が書かれていたことも、彼女の詐欺を指し示すものである。ヌーリエが合格したと主張している学校コードは9桁のはずだが、偽造された成績書は8桁である。加えて提示されたYGS、LYSそしてÖSYSの成績書の文字フォント、文字サイズ、点数の空欄数そして罫線の線がずれている点も目をひいていた。

■父親は病気に

 ヌーリエ・カルクマズは最初、キュタヒヤ県の地方メディアで、「YGS(高等教育試験)」の成功者として記事になった。その時、すでに、偽造した書類をメディアに見せ、目標が医学部であることと言っていた。試験の第2ステップであるLYS(大学選定試験)の結果が7月11日に発表されると、今度は新たな偽造書類を見せて、点数が医学部合格に到達するほど高いと述べた。ヌーリエの書類の偽造は、ヒュッリイェト紙が教育学者サリム・ユンサルとともに行った綿密な調査で明らかにされなかったならば気づかれないところだった。なぜならば、ヌーリエはこの芝居で国民教育相のオフィスにまでいき、ハジェッテペ大学医学部に手続きをしたとさえ主張していたからだ。

 関係者が真相をヌーリエの父親に伝えたところ、父親は卒倒し、ヌーリエの方はというと医学部に合格したという主張を続けた。ヌーリエの書類偽造が明らかになった後、ヒュッリイェト紙が彼女に電話をかけたが、彼女は質問に応じなかった。

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( 翻訳者:森彩音 )
( 記事ID:43365 )