イラク首相ハイダル・イバーディは、一昨日イラク首都バグダードで、新聞記者と政治学者たちと対談し、クルド自治政府と一部議論を生んでいる地域で実施予定の9月25日の国民投票について言及した。ルダウが伝えたニュースでは、イバーディ首相は要約すると次のようにこの話題にふれた。「この国民投票を、今も今後も受け入れない。なぜなら憲法に反し、国を弱体化させているからだ。イラクのすべての機関が国民投票が憲法に反しているとする決定を下した。」
■「流血の扉をあける」
「国境を一方的に、武力を用いて変更をすることは、流血の扉をあける」というイラク首相は、「合意は共通の利益を念頭において問題を解決し、連携することで結果を生みうる」と話した。イバーディ首相はキルクークでテュルクメンに対して行われた攻撃に対して、治安部隊が全国民を守り、法律違反を許さないことを望むと述べた。
■「真摯な直接対話のみを提案する」
クルド、アラブ、ほかの民族グループとの間で差別が行っていないと述べたイラク首相は、「イラクではアラブのみが住んでいるといっているのではない」と述べた。同首相は、国民投票の延期に値する、国際社会が主導する、アルビルとバグダード間で話し合うような対案が提案されていないとし、「国民投票を中止するには、真摯かつ直接対話のみを提案する。これはイラクの提案で、ほかの誰の提案でもない」と述べた。
■「トルコの態度は満足している」
エルドアン大統領との対談に触れたイラク首相は、「対談は、影響力があり、意味があり、明確なものであった。トルコとは、この問題に関して強い協力関係にある。トルコが国民投票に反対し、イラクの領土保全を支持する態度は、非常に明確で、これを実際にみて感じている。これにとても満足している」と述べた。北イラク・クルド自治政府(IKBY)リーダーのバルザーニは、独立のために国民投票を望むのだとし、これに値する対案が提案された場合に国民投票を中止し、9月25日に祝賀を行うことを明らかにした。
■「バルザーニ:分離交渉は1、2か月かかる」
IKBYリーダーのバルザーニは、昨日野党の拠点スレイマニイェで、イラク大統領フアド・マスムとクルディスタン愛国同盟(KYB)関係者と対談した。ルダウによると、コスレット・レスル副首相の家で行われた対談には、KYB政治局員ヘロ・イブラヒム・アフメトと、何人かのKYBの関係者も参加した。他方、スレイマニイェで人々に呼びかけたバルザーニは、「国民投票の後、バグダードと交渉の席につく。残念ながら、私たちにいい対案は出されなかった」と述べた。また、バルザーニは、分離交渉は1、2か月かかるとした。
■「警告が続く」
IKBYリーダーのバルザーニに、世界から警告がきている。
ヨーロッパ:EU外交・安全保障政策上級代表のフェデリカ・モゲリーニは、この問題に関する書面による発表で、EUがイラクの統一、主権、領土保全に「ゆるぎない支援」を繰り返す一方、「提案された国民投票のような一方的な行為は、目的にとっては害があり、避ける必要がある」と述べた。
ロシア:スプート二クによると、昨日の報道会見では、クレムリンの報道官ドミトリー・ペスコヴへ、ロシア政府がイラク・クルド地域で行われる国民投票に関して、ロシアの考え方が問われた。ロシアが地域諸国の領土保全を支持するとしたペスコヴ報道官は、ロシアが国民投票の結果を認めるか認めないかの質問に対して、目下この件にコメントしたくないと述べた。
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( 翻訳者:庄原茉美 )
( 記事ID:43431 )