国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、7月にスイスでキプロスの保証国であるトルコ、ギリシャ、英国が参加したものの不成功に終わったキプロス会議に関する報告書を発表し、「解決の歴史的機会を逸した」と表現した。グレーテス事務総長は、国連安全保障理事会に提出された12頁に及ぶ報告書で、会議が不成功に終わった理由として、利害関係者それぞれの信頼不足と、政治的意思が不十分だった点を挙げた。
■政治的意思不十分
グテーレス事務総長は、保証国の外務大臣レベルが参加したスイスのクラン=モンタナ地域でのキプロス会議では、戦略的合意へ大きく前進し、保証や軍の問題では最終決定を行う方向で保証国の首相らを招集する段階に達したと述べた。キプロスでトルコ系とギリシャ系の各リーダー、つまりムスタファ・アクンジュ(トルコ系)とニコス・アナスタシアディス(ギリシャ系)のあいだで2年半前に始まった交渉の進捗について報告した事務総長は、不成功に終わった責任をどちらかに追求することはなかったものの、「政治的な意思が不十分」としてギリシャ系を(暗に)指さした。
■「求めがあれば再スタートする」
グテーレス事務総長は、交渉過程を継続するかどうかは、キプロスにおけるトルコ系とギリシャ系の共同決議次第であると指摘し、「国連はキプロス問題解決に貢献する準備はできている。とはいえ、この問題で最大の任務はキプロスの両サイドの共同の意思にかかっている。求めがあれば、中断していた地点から再スタートする」と述べた。
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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:43484 )