テロ組織IS(イスラミック・ステート)が公開した処刑動画で、黒いあご髭をたくわえ、実の弟であるイラク人警官のアブドゥルカーディル・アブドゥアラフマーン・アリーさんの頭を銃撃して殺害し、組織のプロパガンダとしてソーシャルメディアに公開した、ISのイマームであるイラク国籍のアブドゥルクハレク・アブドゥルカデル・ アリー被告(47)は、カイセリで9日間にわたって続いた尋問の後、裁判所に移送された。アフドゥルクハレク・アブドゥルカデル・アリー被告は、今回は白いあご髭である様子が確認できた。
カイセリ治安維持局テロ対策支部(TEM)の部隊は、2016年にIS司令部の命令に従って、ISに敵対的だった実の弟であるアブドゥルカーディル・アブドゥアラフマーンさんの頭を銃撃して処刑し、この処刑場面をテロ組織ISのプロパガンダのためにソーシャルメディアに公開した、イラク国籍のアブドゥルクハレ ク・アブドゥルカデル・アリー被告の身柄を、11月8日に実行した作戦で拘束した。ISであご髭を黒色に染め、このような形で処刑を実行した被告は、TEM部隊が実行した作戦によって厳重に身柄を拘束された。
同被告は指紋を採取された際に、白い髭が注意を引いた。同被告は、9日間続いた尋問の後、IS党員との繋がりが判明したユスフ・ムスタファ、 サビル・クルディ、モハンメド・クライスィほか8人の組織のメンバーと共に、健康診断のためにまずカイセリ教育研究病院法医学局に身柄を送致され、その後に裁判所に移送された。
■ISの処刑人は、体制の警察として実の弟を処刑
イラク人の元教師であるアブドゥルクハレク・アブドゥルカデル・アリー被告は、シーア派との闘争のためにISに参加したと供述しており、カイセリのTEM支部で9日間に渡って行われた尋問で興味深い内容を述べている。同被告は、ISが当初はスンナ派ムスリムを保護するために同地方に来たが、後になって同地方の人々に不正を加えるようになったと証言し、以下のように述べた。
「イラクのモースル市ムハッレビイェ郡で教師として働いていたとき、ISは我が国と我が地域の救世主のように訪れたISの指導者たちと、2014年、テラフェルで知り合った。彼らはシーア派から私たちを守ると言っており、我々を組織に引き入れた。しかし地域と兵力をその手に収めてからは、不正と信じられないような暴力を始めた。私も地域における重要なイマームとされ、任務を与えられた。初めは組織に参加した人々に対して家をあてがい、兵站の仕事を担っていた。 その頃、私の弟であるアブドゥルカーディル・アブドゥアラフマーン・アリーはイラクの警官だった。私の隣人だったヴェリド・アリーも、イラクの元警官だった。ISの司令官は、組織に対する私の忠誠を測るために、私が彼らを処刑するということを決定した。そのことを私に知らせてきた。実の弟を組織の要求と組織への忠誠を示すために処刑したことで、私は組織の中でも一目置かれる存在になった。先のISに対する作戦の前、親しい者が私の妻と子供をカイセリへ連れて行った。そのため、ひと月前にトルコへ入国し、まずクルシェヒルへ、そしてそこからカイセリへ行き、家族の側に到着した。とても後悔している。」
一方、ISの処刑人であるアブドゥルクハレク・アブドゥルカデル・アリー被告と、クルシェヒルとカイセリで同容疑者が身を隠すのを助け匿ったとして、合計8人の容疑者も非番の簡易刑事裁判所に身柄を移送された。裁判の結果により、容疑者らは刑務所または移民送還局へと身柄を移される予定だとのことだ。
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( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:43779 )