ハンガーストライキのヌーリエ釈放、セミフ無罪ーFETO免職抗議教員裁判
2017年12月02日付 Cumhuriyet 紙
職場復帰のため269日間にわたりハンガーストライキ中のヌーリエ・ギュルメンさんとセミフ・オザクチャさんの裁判で判決が下された。出廷しなければ供述する機会も与えられないギュルメンさんに対しては、「テロ組織のメンバーである」との理由から6年3ヶ月の懲役が科されたが、釈放の決定が下された。また、5ヶ月間に身柄を拘束されている教員のセミフ・オザクチャさんとアジュン・カラダーさんはすべての罪状において無罪となった。法廷で最後の発言を求められたヌーリエ・ギュルメンさんは、「ファシズムや帝国主義など知ったことではない。万歳、ハンガーストライキ。万歳、レジスタンス」と述べた。非常事態特別政令(KHK)により解雇された教職へ戻るため、269日間のハンガーストライキを行う教員ヌーリエ・ギュルメンさんとセミフ・オザクチャさんが審議される裁判が、昨日の第6回期日において判決となった。裁判所は、193日間の身柄拘束、並びに一度も裁判所に出廷し供述する機会を与えられなかったヌーリエ・ギュルメンさんを、「テロ組織の一員」であるという罪状で6年3ヶ月の懲役に科すと言い渡した。この判決と同時にギュルメンさんの釈放も命じられた。裁判所は、教員であるセミフ・オザクチャさんとアジュン・カラダーさんについては、無罪の判決を下した。オザクチャさんは、10月20日に逮捕されて以来150日間にわたり身柄を拘束されてのちに釈放となった。
教育者のギュルメンさんとオザクチャさん、そして教師であるカラダーさんが「組織の一員であること、プロパガンダを行ったこと、そして第2911合法に違反したこと」という罪状で審議された今回の裁判は、判決期日をシンジャン刑務所構内で行った。アンカラ第19刑事裁判所が管轄する今回の裁判には、健康上の理由からまたしてもギュルメンさんは移送されなかった。
ヌーリエ・ギュルメンさんが自由を得た瞬間■システム不調の中での供述!
裁判所管轄病院の囚人病棟からSEGBİS(音声映像情報システム)で通信したギュルメンさんは、裁判が開かれている間に何度も声が聞こえない、言われていることがわからないと発言した。そのため、話し手は何度も説明を繰り返さなければならなかった。ギュルメンさんも最後の発言を求められた際、接続の問題で裁判長から言葉を遮られ、聞き取れなかった部分を再度述べるよう求められた。映像や音声の接続問題が解決されず、一度裁判が10分間休止される場面もあった。管轄病院の職員は、「しばしば通信が途切れる」と話した。ギュルメンさんはすべての期日で裁判所へ赴き、裁判官らと直接顔を合わせて自身の罪状について答えたかったと話した。
■サチュルク氏「ハンガーストライキを勧めた」
ギュルメンさんとオザクチャさんのユクセル大通りでの活動を支援し、自身も職を解雇された社会学者のヴェリ・サチュルク氏は、証人として裁判を聞いていた。自身も2016年11月22日に解雇され、11月24日から現在までユクセル大通りでの活動に参加していると話したサチュルク氏は、以下のように供述した。「解雇されてからいかなる活動も起きなかった。われわれの声を届けなければならなかった。公正発展党(AKP)の県知事は『木の根でも食べればいい』と発言した。これは私をとても奮起させる出来事でした。何かしら行動を起こさねばならないと考えました。ハンガーストライキを行うことは、私が最初に提案しました。今、388日間この活動を続けています。われわれは毎日打ちのめされています。しかし、必ずや職場復帰するつもりです。」
弁護士は、以前の弁論を繰り返しながら、ギュルメンさんには証拠隠滅や逃亡の可能性はなく、証拠書類は集まらなかったわけではなく残っていなかったという根拠から彼女の釈放を求めた。
■「最後の言葉はまだ言うべき時ではない」裁判官らは判決を言い渡すと述べ、被告人らに最後の発言を求めた。発言したカラダーさんは、まだ審議はされておらず、審議することなく判決が出されるのかと述べた。ユクセル大通りでの思い出を語ったカラダーさんは、次のように述べた。「生徒たちにいつも話していました。世界を天国に変えようと努力すれば天国へ、地獄に変えようとすれば地獄へ向かうだろう。私にとっての地獄とは、良心の呵責だ。今、あなた方にこの言葉を送る。良心が責め立てられる光景を目にし、政権に適った判決を出そうとしているのでしょう。しかし、地獄で焼かれる光景が見えているならば、それでも政権に沿った判決を下すのならば、われわれはあなた方を許さない。」オザクチャさんも、「最後に言いたいことはあるが、まだ言うべき時ではない。そもそも最後の言葉は、あなた方が言うのでしょう」と述べた。ギュルメンさんは最後の言葉として、「ファシズムも帝国主義も知ったことではない。万歳、ハンガーストライキ。万歳、レジスタンス」と述べた。
■裁判所は顔を合わせることなく罰則を科した
裁判所は、休憩を挟んだ後に判決を言い渡した。判決文を読んだ裁判長は、ギュルメンさんに「武装組織のメンバーである」という根拠から6年3ヶ月の懲役に科すと言い渡した。そしてギュルメンさんは、「拘束期間と罰金額」を根拠に釈放されることとなった。釈放決定を受けて、ギュルメンさんとそばにいた弁護士はともに抱き合って喜んだ。刑罰を科されたギュルメンさんは、一度も裁判所で法廷に立つことなく、そして供述することもなく処罰されることになった。すべての罪状で無罪となったセミフ・オザクチャさんとアジュン・カラダーさんに関しては、司法の監視下に置かれるとの決定が伝えられた。
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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:43888 )