ロシア製兵器をめぐる新報道―ロシア紙
2017年12月28日付 Hurriyet 紙


ロシアのメディアは、ロシア防衛産業ロステフ社のセルゲイ・チェメゾフCEOが「トルコがロシアから4防衛ユニットのS-400ミサイル防衛システムを25億ドルで購入した」と報道した。

ロシアとトルコの間で交わされるS-400長距離防空ミサイルシステムの導入について最終的な調印の日が刻々と迫ってきている。ロシアの武器メーカーコンソーシアム「ロステフ」社のセルゲイ・チェメゾフCEOは、契約について昨日までに明らかになっていなかった部分について説明を行った。

チェメゾフCEOは、トルコとロシアの間で最終的な調印が予定されているS-400に関する契約の詳細を「コメルサント」紙に語り、長距離防空システムが総額25億ドルであり、発注が2019年から2020年にかけて実施される予定だと伝えた。

■45%をトルコ側が負担

ロシアの軍事産業関係者であるチェメゾフCEOは、契約の金銭面についても情報を提供し「S-400の契約は総額25億ドルであり、このうち45%はトルコによって支払われ、残り55%はロシアのトルコに対する貸付で賄われる。双方の財務省は融資の点でもすでに合意している」と述べた。

契約の内容に関する詳細についてチェメゾフCEOは「25億ドルの見返りにトルコは4台のミサイル発射台ではなく、4防衛ユニットのミサイルシステムを導入することになる。ひとつの防衛ユニットは現在知られているように多くのミサイルを所持している」と発言した。

■NATO加盟国による初めての…

ロシア軍の構造では、ひとつの防空ユニットは9台の発射台車両を備えており、4防衛ユニットのミサイル発射車両台数はこうして36となる。トルコがロシアから導入する4防衛ユニットのS-400システムの配備が完了すれば、144発(一車両4連装のため、36×4)のミサイルがいつでも発射準備が整った状態で待機する。防空システムに関しては、状況にもよるが、長距離、中距離、短距離と距離の異なるミサイルを予備として揃えることが出来るようになっている。

チェメゾフCEOは説明でS-400の政治的な次元にも触れ「間違いなく、トルコが我々からS-400を導入することはNATO加盟国で初めてのことになる。かつてキプロスがロシアからS-300を導入したことがあるが、この島国はNATO加盟国には数えられていないため、トルコは実質的な導入国としては初めてになるだろう。アンカラ政府のこの措置は政治的、戦略的に非常に重要かつ重大な一歩となる」と語った。

■S-400防空システムとはどのようなユニット?

現在、世界で採用されている中で最も優れた防空システムとしてあげられるS-400「トリウームフ(大勝利)」はロシアが冷戦時代に開発を始めた第4世代の対空ミサイルシステムである。

S-400の開発は1993年に始まったが、とりわけ冷戦後の軍事産業に対する予算削減のために開発完了にはかなりの時間がかかり、さらに新技術ではなく古いシステムの後継としてのコンセプトの上に開発された。

このため、現在のシステムで採用されている技術の70~80%が以前のモデルであるS-300から導入されたものである。システムのうちミサイル収納キャニスター、発射ユニット、レーダーが継続して採用されている。システムの試験は1999年末から開始され、2007年から配備が開始された。

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( 翻訳者:本岡篤也 )
( 記事ID:44044 )