サウジアラビア:アラムコ サウジ版シリコンバレー建設へ
2018年02月03日付 al-Hayat 紙

サウジアラビア:アラムコ サウジ版シリコンバレー建設へ

■サウジアラムコとアルファベットが交渉 サウジを世界のテクノロジー拠点に

【リヤド:本紙】

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子兼副首相兼国防大臣が、グーグルの持ち株会社であるアルファベットと始めた交渉は、次の段階に進んだ。サウジアラムコと米アルファベットが、サウジアラビアでの「シリコンバレーサウジ」の建設を決定したのだ。これは世界的なテクノロジー拠点に相当し、これによって多くのサービスにおいて中東は世界の諸地域を必要としなくなる。

 サウジアラムコ社と米アルファベットは、サウジにおける巨大なテクノロジー拠点の設立に近く合意する。高等筋が契約の詳細を明らかにしたところによると、この契約では、米サンフランシスコにあるシリコンバレーをモデルとする拠点の設立が取り決められている。ウォール・ストリート・ジャーナル紙が伝えた。

 同二社の役員は数カ月前から、サウジへの更なるIT技術の導入プロジェクトに関し話し合いを重ねている。

 この話し合いの結果、サウジ版シリコンバレーの建設にかかる原則合意の形成に至った。なお、その条件として、グーグルの持ち株会社がアラムコ社を、サウジのビッグデータ・センター設立において支援する。

 今般のプロジェクトにより、サウジが中東のインターネット上のデータの中心地となることが期待される。その結果、域内諸国は、欧州につながる海底ケーブルを今後必要としなくなる。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙のレポートが伝えたところによれば、契約の条項や予想費用が明らかにされていないものの、このプロジェクトはサウジ証券取引所に登録を含む巨大プロジェクトになるという。

 グーグルはこの合弁プロジェクトを通じ、マイクロソフトやアマゾンといった競合他社に対するサウジでの足場獲得を目指している。アマゾンはサウジでの三つのデータセンター設立に10億円を投じる契約を結ぼうとしている。

 2016年半ばにワシントンでの政治経済週間を終えた後、米シリコンバレーを訪問した皇太子は、その間、複数のIT企業幹部と会合を開き、米国のIT技術やイノベーション、テクノロジーをサウジが活用可能かどうか検討した。

 現在予想されているアルファベット社のこうした動きは、アップルやアマゾンといった競合二社を真似たものだ。ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が自国を、他を凌駕するテクノロジー拠点にすることを目指す中で、アップルとアマゾンは、サウジ政府とサウジへの投資について議論を重ねている。昨年12月にロイターが報じている。

 アラムコとアルファベットによる合弁プロジェクトは、アラムコの米国での拡大の一助となる可能性がある。これがアラムコの思惑だろう。このプロジェクトの予測規模については未だ明らかになっていない。

 2016年にサウジ皇太子が米国を訪問したことで、カリフォルニアのシリコンバレーに本社を置く大企業は、サウジの「ビジョン2030」計画と国家変革計画を研究・活用する機会を得た。後者の計画は、4470億リヤルに及ぶ投資機会の創出が予想されている。4470億リヤルは約1200億ドルに相当し、同計画に含まれる複数のプロジェクトの価値を試算した額だ。

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( 翻訳者:増田まい )
( 記事ID:44300 )