「オリーブの枝作戦」捕虜は何人?
2018年02月27日付 Cumhuriyet 紙
オリーブの枝作戦でこれまでに無力化された2,059人のテロリストの内、58人が捕虜となった。
TSK(トルコ国軍)は国境と周辺地域に安全と安定をもたらすためにシリアの北東にあるアフリーン地方でPKK/KCK/PYD-YPG、そしてイスラム国のテロリストを無力化し、友好な兄弟国の市民たちをテロリストの抑圧と残虐行為から救い出すことを目的として1月20日に開始されたオリーブの枝作戦を継続している。
AA通信員の情報によると、作戦が開始されてから今までに無力化された2,059名のテロリストのうち58名が捕虜とされた。テロリストらは占領していた地帯での軍事衝突時、作戦に加わった部隊によって衝突地帯から追い出され、監視下にある安全地域に送られた。
生きて捕虜とされたテロリストらはその後、TSKの部隊によって国内における法的手続きを行うべく、法の定めに則って警察に引き渡された。
■「テロリストであっても公正が施行されるメカニズムがある」
安全とテロの専門家、アブドゥッラー・アール氏は、AA通信へ行った説明において、基本的にトルコ軍には人道に関して提唱する重要な行動様式があるとして、「相手が自分に銃を向けたとしても、自分に銃を向けたテロ組織で活動したとしても、命乞いした者、降伏した者、あるいは生きたまま捕虜になった者に対しては、人道的に待遇するという重要な姿がある」と述べた。
トルコ軍が提唱する行動様式が、地域の解決についてのロールモデルであることを強調するアール氏は、以下のように話した。
「トルコ軍は、捕虜にした武装者、つまりテロリストを、彼が自分に銃を向けたとしても虐待することはない、つまり法を施行する。人は法ではない、人がトラウマと共に生み出す良心は法ではない、法を施行するという姿があるのだ。
トルコ国軍は、自らが銃弾に晒されるという代償を払ってもテロリストらをその土地から生きて追放し、その待遇に注意を払う、そして何らかの形で彼らを法廷に引き渡す。最も厳しい条件であっても法的手続きを行う。これはその地域が求める正義に関するひとつの解決をももたらす。テロリストであったとしても公正に従ったメカニズムがある。」
■テロリストを生け捕りにする難しさ
アール氏は、テロリストを生け捕りにする難しさを指摘し、テロリストには興味深い動機があること、そして中には大麻やMDMAを使用していた者もいることを明らかにした。
アール氏は、テロリストらが「降伏する」と言って近づいてきた後、これを仮面のように利用して自爆することもあると指摘する。
「以前、南東での紛争地域で見たことがある。引き渡されたテロリストたちは他のテロリストたちによって狙撃されるリスクがある。その一方で、テロリストを生きて降伏させようとすると、トルコ軍には戦略的困難に直面することになる。なぜなら、自らの姿を何らかの形で敵に晒す必要があるからだ。これもテロリストの標的になるというリスクを生じさせる。テロリストたちを生け捕るには、この観点で困難だ」とコメントした。
アール氏は、示された行動はトルコ軍が崇高な理想、規律、そして魂の持ち主であることを示していると述べて、次のように話した。
「なぜならそこに慈悲を請い、またはもはや戦えない状態で追い詰められた人間がいる。こちらに寄ってきて、『降伏する』と言う。あなたたちは彼らを、自らの身を危険に晒しながらその紛争地帯から連れ出す。とても特別な、意味のある姿だ。この地域では、誰も他の人のために自己犠牲を働かすことはない。しかし、トルコ軍は国土の一体性、そしてシリアの安定と平和の観点から非常に重要な努力を見せている。ここには実際、とても素晴らしいモデルがある。これが知られることが必要だ。最終的には私たちが行っているこの努力は誰かの不利益になることだ。誰かがこの地域をテロ組織に分割させようと目論んでいるのだから、トルコがシリアの統一構造を支持するこの行動は、明らかに彼らを不快にしている。」
■「明らかにテロリストの抵抗心を削ぐ要因となっている」
アール氏は、テロリストが降伏することが他のテロリストに対して与える影響に関して次のように述べた。
「降伏したテロリストたちがより健康的で安全な環境に落ち着くことは、我々のテロとの戦いにおける影響力を非常に大きくするものだ。分離主義テロ組織下にいるテロリストたちの心にある希望をもたらす。なぜなら、トルコ軍の慈悲に預かれば、生きることができる、存在し続けることができるかもしれないという望みが生まれるからだ。明らかにテロリストの抵抗心を削ぐ要因となっている。これは戦略でも形式でもない、自然の結果なのだ。これを強調することには利がある。」
アール氏は、降伏したテロリストに対するトルコ軍の態度に関して以下のように述べた。
「分離主義組織の長に当たるテロ組織の幹部たちは、組織の化学品、イデオロギー、そして人々を搾取するにとどまらず、人々が分派組織によって利用され、この構造の下で命を犠牲にし、そして未来に敵意の種が植え付けられることの原因となっている。つまり、社会的トラウマを取り除くために連行されたテロリストらに行われる治療はとても重要であり、模範をなしている。なぜなら我々は南東での戦闘地域において、常にこれを行った。慈悲を請うて降伏したテロリストたちに対して、いつ何時も酷い振舞いをせず、法を施行した。つまり、すぐに法のメカニズムが働いたのだ。法治国家であることを示している。即ちトルコ軍は、法的な軍なのである。」
■トルコ国軍の民間人に対する配慮
トルコ国軍によって、オリーブの枝作戦は民間人に危害を加えないように配慮して行われている。
テロリストたちの『命の盾』という戦略に対して、トルコ国軍と自由シリア軍(ÖSO)は、市民に配慮し、トルコの歴史的遺産や文化価値にも留意して戦いを続けている。
作戦の計画と実行においては、テロリストと彼らのシェルター、避難所、テント、武器、移動手段、そして戦闘員のみが標的とされ、市民と周囲に被害が出ないよう様々な注意と配慮をしている。
作戦の開始以来、特に作戦の実行地域における宗教的、文化的建造物、歴史的な品物、そして考古学的な遺産と公共施設は、トルコ国軍の標的には入っていない。
空軍は、作戦において国際法や国際条約で禁止されている軍事物資は使っていない。この種の武器は、トルコ国軍の武器庫にもない。作戦においては、地上からの援護射撃においても、同じ方針に基づいて作戦を実行している。使用される武器、軍事物資を含むすべての行動は、戦時国際法や適し、法的基盤に沿って行われている。
■トルコの砲兵は市民を狙わなかった
トルコ国軍の民間人に対する配慮は、2月23日、作戦が続いているアフリーン地域に武器と軍事物資を輸送するために出発した30-40台の(敵側の)護送車を、武装無人機(SİHA)で確認しながら地上部隊の援護を受けてこれを爆撃し、一つの誤りもなく殲滅したことでも証明してみせた。
トルコ国軍は発射の前にアフリーンに近づいている二台の護送車を特定し、そのうち一台は、アフリーンの南に位置するバースータ(باسوطه)地方から来た事、中に市民の乗っている護送車であることが明らかになった。
その他は、テロ組織に軍事物資を輸送している護送だった。トルコ国軍の部隊は、中に民間人がいる護送車に対して何も仕掛けず、軍事物資を積んだ車両を載せた護送車を攻撃したことが分かっている。トルコ国軍は空からの情報を細部に至るまで解析しており、軍が介入しなかった民間人の乗った護送車の映像も、参謀総局によってメディアに公開された。
■「命の盾」にされた村人たちをトルコ軍が救い出した
オリーブの枝作戦において、「民間人を殺している」という嘘で世界の世論を欺くために黒いプロパガンダを行っているテロ組織、PYD/YPG/PKKが、民間人をどのように「命の盾」として利用しているかが明るみに出た。
テロリストが一掃されたアフリーンのマスカフ村では、手を縛られ、周囲に地雷と手製の爆発物が仕掛けられた4人の高齢者が、テロ組織YPD/PKKがアフリーンで銃を突き付けて強制的に誘拐した民間人を命の盾としていることの証人となった。
トルコ軍の民間人に対する配慮により死を免れた村の高齢者らは、トルコ国軍の部隊によって地雷と爆発物を無力化された後、安全を確保した上で警察へ移送された。
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( 翻訳者:西山みなみ )
( 記事ID:44429 )