クルド問題解決プロセスを終わらせた警官殺人事件、犯人の少年6人無罪
2018年02月28日付 Cumhuriyet 紙

2015年7月23日にタンス・アイドゥン交通巡査が殉職した事件についての裁判で被告の少年6名に3年を経て無罪判決が下された。

トルコで3年前、「クルド問題解決プロセス」を打ち切らせ、PKK(クルディスタン労働者党:非合法)が塹壕を設け[戦闘を始める]状況へ移行するきっかけとなった主要なテロ事件のうち、ディヤルバクルで2015年7月23日に事故の通報を受けてある通りへやってきたタンス・アイドゥン交通巡査が殉職し、更に同僚の警官が負傷する事件があった。少年6名が収監のまま起訴された裁判が本日結審した。裁判所は、唯一の証拠は50%の確率で精神的な障害を抱えていると言われている少年A.Ç.の証言によるものであり、起訴された他の少年5名も事件時に他の場所にいたとして、無罪判決を下した。

イスラム国が2015年7月20日にスルチで自爆攻撃を実行し、33名の若者が亡くなった後、PKKも行動を呼びかけた。その翌日シャンルウルファ県ジェイランプナル郡で2名の警官が自宅で睡眠中に殺害され、殉職した。7月23日にはイェニシェヒル自治体管轄のゴミ収集車が衝突した交通事故に駆け付けた警官、 タンス・アイドゥン氏が殉職、同僚の警官も負傷した。

事件後、17歳のA.Ç.という少年が逮捕された。A.Ç.はこの犯行を友人のH.K.、M.A.と計画し、更にN.A.、Y.K.及びM.C.Bという友人も現場にいたと主張した。A.Ç.は「M.A.は、コバーニーのための集会をやるんだといった。それで僕たちはあるカフェに行った。そこにY.K. とH.K.にM.C.B.もいた。カフェで警官に攻撃を仕掛けようと彼は言った。警官らに発砲した際に僕もそこにいた。M.A.とH.K.がやったんだ」と話した。起訴状ではこの事件はPKKの青年メンバーによって結成された愛国革命青年運動(YDG-H)によるものとされていた。

■事件現場にはいなかった

ヒュッリイェト紙イスマイル・サイマズによれば、ディヤルバクル児童重罪裁判所で開廷した2018年1月21日の第11審で検察側は容疑者の少年らに無罪判決を求めたという。検察側によると、アイドゥン巡査をこの容疑者らが殺害したという容疑はA.C.少年の証言を通じて生じたものであり、当人は検察での尋問の際に最初の証言を圧力がかかった中で行ったと話しているという。N.A.がその日自宅から外出しておらず、カメラ映像では、Y.H.とH.K.とM.C.Bが事件現場に姿も見せておらず、250mおよび2km離れたところにいるのが映っており、M.C.B.とY,K.がそれぞれ別の場所におり、それぞれ反対方向に向かっていたと証言された。このため、「いかなる疑いの余地もなく、事件に関して明白な、説得力のある証拠は手に入らなかった」ため無罪判決が請求された。本日の結審で、証拠不十分として無罪判決が下された。

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( 翻訳者:市野太音 )
( 記事ID:44433 )