エルドアン大統領、米英仏のシリア攻撃を支持
2018年04月14日付 Cumhuriyet 紙
アメリカがシリアに対して行った軍事作戦に関して見解を述べた公正発展党(AKP)のエルドアン大統領は、「今回の軍事作戦を支持する。これによりアサド政権は、自身らの攻撃が見逃されることはないとわかったはずだ」と発言した。AKP党首でもあるレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、AKPファティフ郡党大会で講演を行った。夜間ずっとシリアへの軍事作戦について動向を追っていたと話したエルドアン大統領は、「われわれは今回の軍事作戦を支持する」と述べた。エルドアン大統領は、さらに以下のように発言した。「ここ数日でアサド政権が化学兵器を用いた攻撃を行ったことを受け、われわれは米ロが先導する対決の目撃者となった。今朝の早い時間帯にアメリカ、イギリス及びフランスの3ヵ国によってミサイル並びに爆撃機によるアサド政権を標的とした限定的とされる軍事作戦が行われた。このため、昨夜は眠りにつくことなく過ぎた。われわれはこの軍事作戦の動向を追った。アサド政権側は、かつて何度も行ったこれらの攻撃が見逃されるとはもちろん考えていなかっただろう。私は今回の軍事作戦を支持する。化学兵器によって幼い命が失われた状況を認めることなど、おそらく不可能だ。誰かがその代償を払わなければならない。今回の軍事作戦により、アサド政権がここ最近で反体制側へ行ってきた権利や法律を無視した攻撃が見逃されることなどないということをわかったはずだ。」
■「残念ながらシリアで行われた駆け引きは別物だ」
シリアでは化学兵器のみならず、従来型の兵器によっても命を奪われた人々がいると述べたエルドアン大統領は、さらに以下のように続けた。「しかし、化学兵器による攻撃に対して示された世論の感情が、従来型の兵器によって虐殺されたシリア国民らに関しても同様に示される必要があると私は伝えたい。事件は化学兵器のみに留まらない。従来型の兵器によっても、化学兵器による攻撃の倍以上の人々が犠牲となった。2011年のダーラから始まった事件以降、虐殺された何十万人もの無実の女性や子ども、民間人らの命の代償が問われた。しかし誰もそれを問わなかった。残念ながら、シリアで行われている駆け引きはそれとは別物なのだ。シリアで行われたことは、まず政権による迫害に沈黙し、その後テロ組織を支援して野に放ち、そしてテロ組織先導によるプロジェクトを始動させることだ。このような事態を誰も見過ごすことなどできはしない。しかし、われわれは常に言い続けてきた。われわれはこうした駆け引きをすでに解決している。もし標的がイスラム国であれば、われわれはすでに戦っている。もはや戦闘済みだ。どこでか?それはユーフラテスの盾作戦において、われわれは3千人ものイスラム国兵士を無力化した後に追放したのだ。」
■「真の解決方法の策定を最も望んでいる」
シリア国内の全テロ組織の一掃を目的としていると話したエルドアン大統領は、以下のように発言した。「シリアで真に国民の安全と平和、未来、権利のためにステップが踏み出されるならば、政権だけでなくイスラム国やクルド民主統一党(PYD)といったすべてのテロ組織に対して同じ原則に基づく態度を示す必要がある。シリア国民を、政権とテロ組織のどちらかを選択させるような状況に置かせてはならない。トルコとして、シリア国内の全テロ組織を一掃し、安全かつ生活可能な環境にすることをわれわれは望んでいる。われわれの目的は次の通りだ。シリアと国境を接する国の1つとして、7年間にわたり350万人のシリア人を迎え入れてきた国として、われわれは真の意味での解決方法の策定を最も望んでいる。ファティフで入ったカフェの中で、勉学に励むシリア人の若者たちに会った。彼らは流暢にトルコ語を話していた。私はとても幸せな気持ちになった。」
■「マクロン大統領と会談する予定」
シリアで行われた軍事作戦に関し、早朝にメイ英首相と会談を行ったと述べたエルドアン大統領は、「非常に有意義な会談となった。今回踏み出されたステップを、互いに評価した。もちろん、ロシア・アメリカ間の緊張状態が一刻も早く和平に向けた解決へと向かうことが有益であるとも伝えた。今後はマクロン仏大統領との会談も控えている。私の友人らがプーチン大統領と連絡も取っている。彼らもアメリカと今日明日にも会談を行う予定だ。この地域において、われわれの持つ役割は非常に重要だ。われわれにも限界がある。そしてここには家族の絆がある。責任は重大だ。つまり、われわれは誰かのようにがんじがらめになって立ち止まることなどできないのだ。計画やプログラムを順調にこなさなければならない。政権の迫害に同意したり、PYDやイスラム国といったテロ組織に猶予を与えることなどないのだ。」
■エルドアン大統領からケマル・クルチダルオール党首のハタイ訪問へ反発
ケマル・クルチダルオール共和人民党(CHP)党首がハタイを訪問したことに言及したエルドアン大統領は、以下のように発言した。「ケマル党首がおそらく今日ハタイに向かっている。そんなニュースを聞いた。良い旅路を、われわれは彼の動向を愚弄する気はない。行けばいいし、感謝さえしよう。いかなるアーティストを側に置こうが、それを見ることもない。勝手に行けばいいし、どうぞテロリストを側に置くことのないよう。正義の行進や正義という概念は、とても素晴らしい概念だ。しかし、側にテロリストを置くようなことがあれば、申し訳ないが彼も正義とはなりえないだろう。彼の名は惰性となるだろう。今、われわれは彼らとは異なる旅路を進んでいるのだ。」
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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:44652 )