サウジ政府、偽造書類でメッカ巡礼にいったトルコ人巡礼者を拘束?
2018年09月29日付 Hurriyet 紙


トルコ国内の違法旅行代理店が、サウジアラビアで活動するNascoという名の企業から招聘されたと見せかけた書類を準備し、トルコ人120人の商用ビザ取得を斡旋していたことが発覚した。Nasco社が、自社名義による偽造文書が作成されている疑惑をもち、サウジ側関係者に通報した。この事件後、抽選を経ず巡礼訪問したトルコ国籍者20人がサウジ出国許可を与えられないまま拘束されている状況が続いているとみられる。

聖地を訪問し巡礼を果たすため、今年トルコからはおよそ210万人が抽選に申し込み、抽選の結果8万人が、聖地、つまりサウジアラビアを訪れる権利を手にした。世界中のムスリムが毎年特定の時期に聖地巡礼義務を果たせるようにするため、各国が自国民に聖地への往路を抽選で承認している。

各国に割り振られる訪問可能人数はサウジアラビアの関係機関により決められる。巡礼希望者は、抽選以外はいかなる形でも、上記の巡礼期間に巡礼目的にサウジアラビアを訪れることはできない。また、巡礼信仰を目的としたの渡航は、往復の日付も事前に通知される。これによれば今年はトルコから聖地への渡航は往路は7月17日から8月15日まで、また復路は8月25日から9月20日までとなっている。

■トルコ人20人拘束

トルコ旅行代理店協会に加盟していない違法代理店が、巡礼候補者に「抽選なしに」聖地への渡航を可能にした。すべてに発端はそのことだった。
巡礼候補者らを抽選なしにサウジアラビアへ渡航させるのに適用された手口は、当選しなかったにもかかわらず巡礼へ行ったトルコ国民のサウジアラビアからの帰路で炎上した。商用ビザでサウジアラビアに入国した120人のトルコ国籍者のうち、20人に出国承認が与えられなかった。本紙でも、加盟代理店に送られた通達文書の内容から、違法代理店がとった方法を入手した。また、巡礼月、あるいはそれ以外の巡礼旅行を扱う加盟代理店が適用している方法を取材した。

■企業自ら通報

本紙の入手した情報によれば、その手口は次のとおりである。
サウジアラビアを訪れて商業活動を行うためには、現地企業から招聘状を取り寄せる必要がある。招聘状には「商談のためサウジアラビアへ来る必要がある」というような内容がみられる。この招聘状は雇用予定者のほか、在トルコの(サウジアラビア)領事館へも送付される。渡航予定者はこの招聘状によって商用ビザを取得可能となる。ここではサウジアラビアのNascoという名の企業の招聘状が使用されている。そしてこの手口が明るみに出したのも同企業である。Nascoという名の企業は、調査の結果、同社が送った「招聘状」よりも多くの招聘状が出回っていることをつかんだ。つまり招聘状が複製された疑いがある。そして、同社が発行した招聘状の原本ではない、偽造された文書のあることをサウジ側関係者に通報している。つまり企業自ら告発したことになる。
 この時点をもってサウジ側関係者は腰を上げ、サウジから出国しておらず、偽造招聘状での商用ビザをもつトルコ国籍者に出国承認を与えない状況が続いているとみられる。
なお、代理店に送られた上記文書では、トルコ政府がサウジ側関係者に協力的ではなかったことや、ビザ取得時にトルコ国内では誰が介入したのかという問いに答えなかったために出国承認が下りていないと主張している。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:45456 )