フランスのAFP通信は、サウジアラビアの新聞記者ジェマール・カシュクチュ(カショギ)氏殺害に関連する危機が、中東におけるバランスをトルコに味方する側、反サウジアラビア側に変えうると分析した。
イギリスのシンクタンク、王立問題研究所(チャタム・ハウス)中東・北アフリカ担当主任のリナ・ハティブ氏は、「カシュクチュ氏の殺害はエルドアン大統領に、サウジアラビアへの圧力と、トルコをムスリム世界のリーダーとして示すための絶好の機会をもたらした。カシュクチュ危機は、トルコにとって大きな政治的地政学的ギャンブルであり、現在トルコはゲームを巧みに演じているように見える。しかしトルコは、単独ではサウジアラビアのムハンマド皇太子を辞めさせるまでの圧力をかけることはできない。ボールはアメリカの舞台で論評された。トルコはムスリムの兄弟たちを重視しているが、西洋、特にアメリカがイエメンでの戦争を終わらせるため、またカタールに向けた封鎖解除のために皇太子に圧力をかけうることが示唆されている。専門家らは、今後ありうるイスラエル・パレスチナの平和のためにアメリカが皇太子の支持を必要としていることを指摘し、アメリカ政府が皇太子にイスラエルとの協力とイランに反対する立場を示すよう圧力をかけうることを明らかにした。
■サウジのタラール王子釈放
サウジアラビアで昨年「汚職」訴訟で始まった捜査の一環で逮捕された王子たちのうち、ハリド・ビン・タラール王子が釈放されたという。イギリスで発行されているアル・クドゥス・アル・アラビー紙の信頼できる情報源に基づいた報道よると、サルマーン王の甥のタラール王子は、逮捕された他の王子たちとは異なり、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子を批判したため1月に逮捕されていた。
■「目的は圧力の緩和」
タラール王子の釈放は、サウジアラビアの新聞記者カシュクチュ氏の殺害後リヤドに対して強められた圧力を緩和させるために行われたと言われている。同時に、ハリド・ビン・タラール王子が、汚職捜査の枠組みで釈放された最初の王子となったことが明らかにされた。
アメリカのウォール・ストリート・ジャーナル紙は、トゥルキー・ビン・アブドゥッラー王子、アブデュルアズィズ・ビン・ファハド王子と大富豪の実業家モハメド・ヒュセイン・アル・アムディ氏が近日釈放されることが確定されたと記した。
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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:45688 )