ソーシャルメディアでは、近年注目すべき動きが起きている。日本や中国を始めとする極東諸国によって、トルコで「人気のある」ソーシャルメディアのアカウントが売買されている。売買後は日本語や中国語で投稿され続けているこれらのアカウントの中には、1万ドルで売られているものもあれば、2万ドルで売られているものも…こうした利用目的のためだけに作成された一部のウェブサイト上で、アカウント所有者らはアカウントを売却している。
■「青バッジ」が売られている
何十万人ものフォロワーを有するこれらのアカウントの中には、「青バッジ」も含まれている。いわゆるツイッターによって使用者が認証されたアカウントである。これらのアカウントの使用者に変更があったとしても、登録上の所有者は変更されない。なぜなら、アカウントの購入者が名前を変えれば「青バッジ」は失われるため、アカウントを購入した意味がなくなってしまうためだ。購入した個人や組織による違法行為の法的責任はアカウントとどまるため、売買の観点から見ると売り手がリスクを負うことになります。また、購入者側も「青バッジ」である故に名前を変更することができないため、登録された所有者が悪意を持ってツイッター社に盗難されたと通報してアカウントを取り戻される可能性もあり、こうした観点から購入者もリスクを負うことになります。
■何千ドルも支払われた
国際ソーシャルメディア協会のサイト・エルジャン会長によると、最近では注目度の高い10個程度の「有名な」ソーシャルメディアアカウントが日本人や中国人によって売買されたという。これらのアカウントには、2万ドルもの金額が支払われた。エルジャン会長は、「これらのアカウントは、売却後に動画の投稿に使用されていることがほとんどです」と話した。こうした問題の法的な部分は、ほとんどグレーだ。情報通信関係の法律家であるギョクハン・アヒ氏は、ソーシャルメディアのアカウントが法的に「財産」として扱われず、「使用権」として見なされると延べ、法的責任はそれぞれの事情に応じて評価されると強調した。では、なぜこれらのアカウントは売買されうるのだろうか。カーディル・ハス大学の新メディア論学部で講師を務めるイスマイル・ハック・ポラット氏によれば、こうした取引の中には「トリック」があるという。「認証済みアカウントで且つ多くのフォロワーがいるということは、使用者にとって非常に魅力的です。コンテンツの共有も動画によって行われるため、世界中のフォロワーが再びそれらのアカウントをフォローすることが保証されています。売買直後は何百何千程度であったフォロワー数を、彼らは短期間で何百万人にまで増やすことができます。トルコ人ユーザーのアカウントは、彼らにとって格好の餌場なのです。」
■「デジタル上の影響力であるために…」
情報通信やソーシャルメディアに関する著書を出している作家のハック・アルカン氏は、こうした現状をグーグルの技術的パラダイムを欺く局地的な動きとして見ている。「(こうした動きは)ツイッターのアルゴリズムを欺き、広告や注目を目的としたある種の「デジタル影響力」を強化しています。フォロワーの質ではなく、数が重要なのです。ツイッターのアルゴリズムは欺かれています。」
■内部市場では30万リラ
世界でソーシャルメディアを最も多く利用する国のトップ5に入るトルコの内部市場でも、「アカウント交換」は非常に活発だ…アカウントが大々的に売買されているサイトも存在する。200リラから取引が開始されるこれらのアカウントは、その品質や認証の有無に応じて最大で30万リラの値をつけたものもあった。
3万人のフォロワーを有するアカウントを100リラで売却した学生のフラト・ボズクルトさんは、次のように話してくれた。「もう4年間もこうした取引をしています。最初の1年半から2年は買ってばかりでした。稼ぎ始めたのはそれ以降です。この4年間で5万リラ近く稼ぐことができました。企業やアーティストとも取引をしました。彼らのアカウント運用の支援もしています。私はフェスティバルに向けてアカウントを売っています。まだまだアマチュアです。でもここには素晴らしい市場があります…」
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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:46039 )