Abdulkadir Selviコラム:終わりは見えた?イスタンブル市長選
2019年04月17日付 Hurriyet 紙

イスタンブル市長選挙の終わりが近づいている。

しかしながら一体何の終わりであるのかという事に私は確信がない。マルテペ区の選挙委員会における集計は今日終わることが見込まれている。AKP(公正発展党)の、更に以前に集計された400の選挙投票箱が選挙委員の監視の下で集計されなかったという訴えによって再び数えられるという方向で、申し立てがどのように評価されるのかという事は私たちには分からない。もしも承認されれば、400の投票箱は再び集計される、もしもされなければ論争は継続するだろう。

マルテペにおいて集計が完了すれば、公式記録は統合される。イスタンブル県の選挙委員会は最も得票を得る候補に対して当選確定書を与える。今までの集計においてはエクレム・イマムオール氏がリードしているため当選確定書は自身に対して与えられる事が見込まれている。この間、AKPは「高等選挙委員会(YSK)に対して行われた特別抗告」の決着がつくまで当選確定書を用意しないように県の選挙委員会へ要請をおこなった。県の選挙委員会はこの要請に配慮することも出来るし、もしくは勝利した候補に当選確定書を与える事もできる。予想では、エクレム・イマムオール氏に対して当選確定書が交付される見通しだ。当選確定書が行き着く先がはっきりしたといえるだろう。このようにしてサッカーの試合からソーシャルメディアに至るひとつの屋根の下で起こった「当選確定書」の論争も決着をみることになるだろう。不明瞭さはある程度取り除かれる事になる。

■まず市長になるだろう

この間「再び行われる選挙を不当に選出された市長と共におこなう事はできない、そのためにエクレム・イマムオール氏に対して当選確定書は交付されない」という形で主張が議論に持ち込まれた。私が話しをした法律家たちは、これが不可能であるという見方をとっている。法律番号第5393号の地方自治体法の第44条において選出される権限を失った市長は、「市長職を辞職する」と述べられている。市長職を辞職するには、その前提として市長である必要がある。つまりエクレム・イマムオール氏が当選確定書を用意してまず「市長」になる必要がある。(当選の)取り消しの決定がなされた場合に辞職する事が出来るようにするためである。勿論YSKが選挙を取り消しにしなければ、その時職務を継続する事が出来るだろう。

YSKは昨日、再選挙が行われることが決定された各地において当選確定書を得て職務を開始した新しい首長の辞職を決定した。この決定はクルッカレ市のケスキン区において適用された。2014年に再選挙が行われたヤロヴァにおいて適用されたようである。

■取り消しの要請の理由

見込まれていたようにAKPは昨日、イスタンブル再選挙が行われるためにYSKへと申請を行った。AKP選挙担当のアリ・イフサン・ヤヴズ氏は、不正の訴えと共に3つのスーツケースの形で運びいれた嘆願書をYSKへと提出した。

■取り消しの要請の理由の数々

予想されていたようにAKPは、昨日イスタンブル市長選の再選挙のために3つのスーツケースの形で持ちこんだ嘆願書はYSKへと提出された。

AKPがYSKに提出した書類の中には一体、どのようなものが含まれているのか?

1-1万9000人が公的な役職についていなかったにも関わらず、選挙委員に任命されたという事が主張されている。エルドアンが国会議員となったスィィルトの選挙は、ドアン村において投票箱が法律に適していなかったという訴えによって再選挙が実施された。

2-制限付き有権者の票が用いられたという訴え:裁判所の決定によって投票権がない状態である2300人が選挙で票を用いたという事が主張されている。この人々の名前、住所、選挙地域と投票番号が与えられ調査が行われることが求められている。クルッカレのケスキン、アルトゥヴィンのユスフェリ、デニズリ県のホナズ郡における選挙は、「投票権のない選挙人たちが」票を用いたという事が証明され取り消しとなった。 

3-1万240人の逮捕者が刑務所と自身の居住地において有権者登録されていたことが主張されている。「例えばシリウリ刑務所において囚われの身となっていて、その住所において投票者となっていて、カドゥキョイの居住地においても投票者となっている。」と言われている。刑務所において票を用いた逮捕者たちの名前でもまた彼らの居住地においても票が用いられたのかどうかということが検証される事が求められている。

4-AKPの選挙取り消しの訴えの中には、服役者たちの問題も含まれている。5287人の服役者が居住地に基づいて用意された投票用紙において投票者として位置を占めている事が明らかにされている。例えば、「ウスパルタ刑務所に囚われの身となっている服役者も投票者として投票人名簿に記載されているのが見受けられる。」と述べられている。投票者名簿の中の服役者の名前に対して制限付き有権者との注意書きが記される必要があるにも関わらず、いかなる注意書きもなかったと伝えられている。YSKによって服役者の名で票が用いられたのか用いられなかったのかという事が追及される事が求められている。  

イスタンブル選挙は危機的な段階へと達した。YSKが与える決定はただ、司法の次元だけにとどまらないであろうという事は明らかである。なぜなら3月31日の夜から現在にまで起こった申し立てのプロセスにおいて、イスタンブル選挙の目的が全く別の形で一つの意味を獲得したのである。YSKの決定は政治を再び形づくることになるだろう。

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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:46653 )