イスタンブル・エセンユルトのギュゼルユルト地区で、工事が原因で路地と大通り上にひび割れが発生した。
この件で、エセンユルト区役所のケメル・デニズ・ボスクルト区長は、「建設物に悪影響を与える状況はない」と発表した。
また関係職員らがいかなる被害も起こさせぬよう路地と大通りの交通を遮断し、オフィスや建物から人々を退避させた。建設関係者への聴取が予定されている。
■県が会見
イスタンブル県はエセンユルト地区の事故に関する会見を行い、「ギュゼルユルト地区のオルハンガズィ通り、ならびに通り沿いにある9階建ビルで発生した地滑りとひび割れのため道路を閉鎖し、ビルも検査目的で人々を退避させた。事故現場ではトルコ緊急災害対策庁(AFAD)、県の環境都市開発局、そのほか関連組織の技術職員が必要な検査を始めている」と述べた。
■「30以上のビルで避難」
CNNトルコのオズギュル・デニズ・カヤ記者は、エセンユルトからの説明で、「30以上のビルで避難作業が行われた。道路上にところどころひび割れがある。各ビルや階段にもひび割れがある。イスタンブル県やAFAD職員が準備を整えて待機している。何百人もの入居者が職員からの説明を待ち望んでいる。2本の大通りと1本の路地の脇に建っているビルで避難が実施された」と伝えた。
■「500人以上が現在自宅に入れず」
また避難している人々のところに行ったCNNトルコのフルヤ・オズテュルク記者は、「エセンユルトのギュゼルユルト地区住民は、1週間ほど土壌で何かが起こっていると話していた。人々の(疑惑の)目はギュゼルユルト地区での大規模工事現場に向けられている。検証が進んでいる。34のビルで避難が実施された。また250軒、つまり500人以上の人々が現在自宅に入れずにいる。彼らの一部は親族を頼み、また別の人は学校へ移送された。危機対策センターが立ち上げられた。100以上の家族がここで待機している。市の車両が食料、温かいチャイ、スープのサービスを実施している。市民は不安を感じている」と述べた。
■エセンユルト区長「指示は出した」
エセンユルト区ケメル・デニズ・ボスクルト区長は、エセンユルト地区でひび割れ及び地滑りにより交通を遮断したオルハンガズィ通りと避難が行われた9階建ビル周辺のアパート25棟で安全上の理由で避難が実施されたと明らかにした。
またこの件で記者らへの会見を行ったボズクルト区長は、国民を被害にさらさないよう避難を決定したこと、ひび割れに関する調査が続けられていることを発表した。
「イスタンブル県は、誰一人として被害に遭わないように、また安全上の理由で、住民に自宅へ立ち入らないよう求めた。調査は一晩中続けられる」と話したボズクルト区長は、現場の安全確保のため、朝まで作業機材が稼働する見込みであると明らかにした。
また同区長は、ビルに機材が導入され、なんらかの地滑りが発生したのかどうかコンピュータ解析が実施されたと話し、当初の解析では地滑りがみられたが、8時間の間、30分毎に解析を行った結果、いかなる滑落もみられなかったと述べている。
エセンユルト地区ボズクルト区長の発表は以下のとおり。
「現時点では問題ないが、これからの流れについては明日以降に明確にする。明日、可能であれば県とともに決定を行う見込みである。それ以外に緊急的な課題はない。住民が今晩は自宅に入れないのは安全上の理由からだ。区役所の全職員が現場にいる。われわれの住民には、今晩、いかなる些細なことであれ必要なことがあればそれにこたえる形でサービスがおこなわれる。警察当局の部署からおよそ100人の職員がここにいる。各部署の指示責任者もここにいる。副区長も、そして私もここにいる。そして住民のために働いている。およそ25棟のアパートで避難が実施された。それらの多くは危険性があるというのではなく、安全確保の防災目的の避難である」
ひび割れや地滑りで交通が遮断されたオルハンガズィ通りでは、AFADや県の環境都市開発局、そのほか市区職員らが活動を続けている。
また、協働して作業を続けるため、事故現場付近のシャイル・フェヴズィ・クトゥル・カルカンジュ小学校に危機対策デスクが設置された。さらに現場周辺のビルは警戒措置のため避難が実施された。さらに、いかなる問題も起きぬよう、警察隊員が現場で防犯活動を行った。
■市民はホテルへ
エセンユルト地区のエルトゥールル・ガーズィ通り、オルハン・ガーズィ通りで発生したひび割れにより、自宅から避難し、学校で待機していた住民らは、夜を過ごすためにタクシーでホテルに移送された。
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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:46702 )