イランのザリフ外相は、タンカー爆発事件を受けて「アメリカは信憑性の高い、もしくは間接的な証拠を示すことなくイランを非難しており、「チームB」はイランに対し、日本の安倍晋三首相の外交的努力を標的にした妨害外交を行っていることが明らかだ」と述べた。
イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリフ外相は、ホルムズ海峡での石油タンカーの襲撃事件に関連してアメリカが「妨害外交」を行っていると非難した。
ザリフ外相は自身のツイッターアカウントで、ホルムズ海峡でのタンカー襲撃事件で、アメリカは信憑性の高い証拠を示さずにイランを非難していると主張した。
ザリフ外相は、襲撃犯を「チームB」としており、その顔触れはアメリカ・ホワイトハウスのジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子、アブダビのムハンマド・ビン・ザイード皇太子と指摘している。ザリフ外相は ツイッターで以下のようなメッセージを発した。
「アメリカは(襲撃の直後に)信憑性のある、もしくは間接的な証拠を示すことなくイランを非難しており、「チームB」はイランに対し、日本の安倍晋三首相の外交的努力を標的にした妨害外交を行っていることが明らかだ。」
ザリフ外相は他にも、この種の妨害活動に対して過去にも警告していたと述べたうえで「未来を見ているからではなく、チームBの過去を知っているから警告している」とのメッセージを発した。
■ホルムズ海峡で石油タンカー2隻が襲撃される
昨日ホルムズ海峡で、石油タンカー2隻が爆発した。乗組員44人はイランの救助隊によって救助され、イランのホルムズガン県のジャスク港まで運ばれた。
日本の世耕弘成経済産業相は、日本に向けて航行していた石油タンカー2隻がホルムズ海峡近辺で襲撃されたと発表した。2隻のうち片方は日本船籍、もう片方はノルウェー船籍だということがわかった。
日本の安倍晋三首相は、イラン・アメリカ間の緊張緩和と中東情勢の安定確保のためにテヘランを訪問していたが、その折に襲撃事件が発生した。
イラン政府のアリ・レビー報道官は会見で、タンカーが攻撃を受けたことに懸念を示し、周辺諸国に対し「不安定な状態から利益を得る側に加わらないように」と警告した。
アメリカのマイク・ポンペイオ国務長官は「手元の情報や、攻撃に使用された武器ややり口から、我々はイランに責任があると見なしている」と述べた。アメリカ中央軍(CENTCOM)司令部も、イラン・イスラーム革命防衛隊の船隊が、ホルムズ海峡で攻撃を受けたタンカーのうち1隻から不発水雷を回収したとされる映像を公開した。
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:46971 )