アーラシュ・ナハーヴァンディー[訳注:執筆者]:スーパーヒーローの物語が大衆文化の一部になって75年以上になる。
スーパーヒーローは文字と絵の印刷物によってだけでなく、マスメディアに取り上げられることでも人々に紹介されてきた。だがコミック本の後は、映画館の大きなスクリーンがスーパーヒーローたちの活躍する最も大衆的な舞台となっている。この40年間、数多くのスーパーヒーローものの映画が公開されてきた。しかしながら、私たちの暮らすこの現代こそ、スーパーヒーローものの映画が人気の頂点を極めている時代である。
まさにこのことから、文化情報を中心に発信している出版社や通信社、その他メディアは、スーパーヒーロー映画の記事をその中核に据えている。インターネットサイトのシネマブレンドは、『ダークナイト』、『アベンジャーズ/エンドゲーム』、『キャプテン・アメリカ[訳注:原文はキャプテン・マーベルとなっている]/ウィンター・ソルジャー』、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、『アベンジャーズ』、『スパイダーマン:スパイダーバース』、『デッドプール』、『Mr.インクレディブル』、『ブラックパンサー』、『ワンダーウーマン』を21世紀のスーパーヒーロー映画トップ10として紹介している。これらのうち5作品の概要をみてみよう。
●『ダークナイト』
クリストファー・ノーランにより、2005年再びバットマンが復活し映画館の大きなスクリーンで上映された。しかし、大きな反響を読んだのはバットマン映画自体ではなく、2008年に制作されて世を席巻した、この作品の続編『ダークナイト』だった。今日に至るまで、『ダークナイト』は、続編が第一作よりも成功を収めることのできた作品の一例とみなされている。この作品は『バットマン:キリング・ジョーク』や『バットマン:ロング・ハロウィーン』といった作品からインスピレーションを得て制作された。
作品はバットマンの物語の続きで、ジョーカーとバットマンとの闘いが描かれている。『ダークナイト』では、オーストラリア人の今は亡き俳優ヒース・レジャーがジョーカーを、クリスチャン・ベールがバットマンを演じている。ヒース・レジャーはこの作品で素晴らしい演技をしたことにより、没後、2008年にアカデミー賞助演男優賞を贈られた。『ダークナイト』は2008年に世界中で10億ドルを売り上げ、年間興行収入の最も高い映画であった。
さらに、本作は史上39番目に興行収入の多い作品である。この作品はアメリカでの公開初日に1億5800万ドルを売り上げ、この記録はその後3年間破られなかった。この映画はアカデミー賞8部門にノミネートされ、最終的に音響編集賞と助演男優賞を受賞した。2016年にも、21世紀の優れた映画33作品のうちの一つとして世界中の批評家117人から賛同を得た。
●『アベンジャーズ/エンドゲーム』
この映画は、全世界で20億7000万ドルの興行収入をあげ、2019年最多興行収入作品、映画史上最多興行収入スーパーヒーロー映画、映画史上興行収入第2位の作品となっている。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、スタン・リーとジャック・カービーによる同名の原作をもとに制作された、スーパーヒーロー映画のジャンルに入る作品であり、クリストファー・マルクスとスティーブン・マクフィーリーが脚本を書いている。アントニー・ルッソとジョー・ルッソ兄弟が監督した。同作品は、マーベル・スタジオによって制作された。配給はウォルト・ディズニーの映像制作会社[訳注:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ]。2019年4月26日にIMA Xと3Dで公開されている。
●『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』
この作品は、ルッソ兄弟(アントニー・ルッソ、ジョー・ルッソ)によるもう一つのスーパーヒーローものの映画である。この2人の兄弟は、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』において、観客を考えこませると同時にドキドキさせる魅力的な政治ホラーを演出することに成功した。映画では、クリス・エヴァンスはその演技により、キャプテン・アメリカを伝説のスーパーヒーローとして銀幕の舞台に登場させることができた。この作品のストーリーは、マーベルコミックのあるキャラクターから生まれたもので、2014年4月ににウォルト・ディズニーによって配給された。世界中で7億1400万ドルの興行収入をあげ、この年の年間興行収入第7位の作品になった。さらに、本作はアカデミー賞の視覚効果賞にノミネートされた。
●『スパイダーマン:スパイダーバース』
『スパイダーマン:スパイダーバース』はCGアニメのスーパーヒーロー映画で、ボブ・ペルシケッティの作品である。スパイダーマンのマイルス・モラレスを主人公にコロンビア・ピクチャーズが制作し、2018年12月14日にソニー・ピクチャーズにより配給された。
この作品では、シャメイク・ムーア、ジェイク・ジョンソン、ヘイリー・スタインフェルド、マハーシャラ・アリーらがこのCGアニメ映画の主要キャラクターの声を演じた。
この作品は9000万ドルもの予算を投じて制作され、全世界で3億7500万ドルの興行収入をあげた。評論家たちは、この映画のアニメーション編集法、キャラクター設定、ストーリー、声の演出、そして風刺が効いている点を称賛した。2019年には数多くの賞を受賞した。それらの中には、アカデミー賞長編アニメ賞、アニー賞、ゴールデングローブ賞が含まれる。ディズニー/ピクサーによって制作された作品以外でアカデミー賞長編アニメ賞を受賞したのは、『ランゴ』(2011年)以来のことだった。
●『デッドプール』
ティム・ミラーの作品『デッドプール』も、21世紀に制作された最も優れたスーパーヒーロー映画の一つに数えられている。評論家らはこの作品を、ライアン・レイノルズの演技と映像制作技法、コミック原作への忠実度、刺激的なアクションシーンの点で称賛した。『デッドプール』は2月12日に公開された。配給会社は20世紀FOX。
この作品は評論家らの肯定的な意見に加えて、稀にみる商業的成功も収めた。この映画の制作費は5800万ドルで、最終的に全世界で7億8300万ドルの売り上げをみせ、2016年第8位の興行収入をあげた。『デッドプール』はアメリカ放送映画批評家協会から二つの賞を受賞し、ゴールデングローブ賞にも2部門でノミネートされた。ライアン・レイノルズ、モリーナ・バッカリン、エド・スクラインが、この映画で主要な役を演じた。『デッドプール2』も、この作品の続編として2018年5月18日に公開された。
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( 翻訳者:AS )
( 記事ID:47009 )