スーダン:憲法の空白は国の経済の歩みを妨げる(1)
2019年06月27日付 al-Quds al-Arabi 紙
■憲法の空白はスーダン経済の歩みを妨げる
【ハルツーム:アナトリア通信】
スーダンでは、30年間支配したオマル・バシール前大統領政権を打倒した民衆革命の後、2か月以上にわたり憲法と行政の空白状態にある。
先の4月11日に国家運営を担うこととなった暫定軍事評議会は、これまで政治運動を統率してきた「自由・変革同盟」との政治的合意に至るまで、全ての中央政府・州政府を解体することを発表した。
しかし、合意までの道のりは険しく、それが現状における合意形成を達成困難な目標にしている。同時に、両者の信頼を揺るがしかねない出来事が複数発生しており、その直近の例としては軍本部前の座り込みデモを排除した件に関して「自由・変革同盟」が軍事評議会を非難したことが挙げられる。
また、先月6月3日、軍本部前の座り込みデモ隊が排除されたが、スーダン医師中央委員会(反体制派医療委員会)の統計によると128人が死亡したという。一方、政府の統計上では死者は61人とされている。
これらの事件により、「自由・変革同盟」はアフリカやアラブ、および国際社会の仲介役が存在する中で行われていた軍事評議会との直接交渉を停止した。
現在の政治的な出来事はスーダンの経済状況の行く末にも影を落としている。政治的な変化があったにも拘わらず、(以前から)継続する危機的な状況から抜け出せずにいるのだ。
経済状況は依然として、スーダン国民がオマル・バシール前大統領の打倒後に掲げたような高い期待通りにはいっておらず、かつてのままである。
ハルツーム州商工会議所のハサン・イーサー会頭は現在の政治状況の中、経済状況が不安定であり、消費財価格が乱高下していると強調した。
(実際に)スーダンの首都ハルツームの中心街にあるアラブ市場を見て回ると、肉と牛乳を筆頭に消費財価格が大幅に上昇していた。
イーサー会頭は今後消費財の不足が発生すると予想しており、その原因はこのところ国が明確な経済政策を行っていないことだとの見方を示した。
(2)へつづく
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( 翻訳者:中鉢夏輝 )
( 記事ID:47042 )