石油タンカーの保険にリスクの非常警報 :ペルシア湾とオマーン海の石油タンカー保険料率は20倍に
2019年06月16日付 Hamshahri 紙


国際的な保険業者は石油タンカーへの攻撃に警戒感を高め、大手保険会社は中東地域とペルシア湾、オマーン海を航行する石油タンカーのリスクをカバーするためにその保険料率を20倍にまで引き上げた。

この事態は先週木曜日(訳注:2019年6月23日の木曜日)にオマーン海で2隻の石油タンカーが攻撃されてから起こった。S&Pグローバルは、船舶保険関係のある情報筋の話として以下のように発表した。

「船舶の保有者は自身の船積原価の0.1~0.4%を保険料として払わなければならない。この数字は、タンカー攻撃以前には0.02%だった。」この情報筋は次のように付け加えた。「投資家はこの事件が今後また繰り返される可能性を危惧している。また、場合によっては、投資家がこの地域に現在停泊している石油タンカーに保険を掛けることに関してさえも興味を失っている。」

ここ数ヶ月ペルシア湾岸における緊張の発生と、さらに一部の国による挑発行為に続き、アラブ首長国連邦のフジャイラ港での2隻と、さらにイラン近海での2隻を含む少なくとも5隻の石油タンカーに対して事件が起きている。

情勢分析家らはこのように述べている。「世界で生産されている石油の40%がペルシア湾とサウジアラビア、イラク、イラン、カタール、アラブ首長国連邦、クウェート、バーレーンで生産されており、おのずとこの石油はホルムズ海峡を通ることにもなる。もちろん国際的な保険業者らは、それぞれ特定の保険料率を顧客ごとに個別に決定しているが、その経済的な本質ゆえに決して明かされることはない。」

プラッツ・ニュース・ネットワークは複数の情報筋の話として次のように伝えた。「この地域での多くの攻撃が原因となり、この攻撃のなかでの石油輸送に対する保険料率の見直しが行われることとなるだろう。現在のところ、状況がさらに悪化するとの憶測があり、保険業者はできるだけこの地域でのタンカー向け保険を作らないようにしている。」

・船舶のチャーター中止
船の所有者とその船をチャーターしている会社は、木曜日の攻撃後すぐ申し込みを停止させ、中東からの石油運搬リスクを見直している。最も大きな石油タンカー所有者たちの貿易グループ理事長であるパオロ・ダミコ氏は、このように告知した。「私たちは、世界の原油の30%がこの海峡を通っており、もしこの水域が危険になるならば西洋世界全体への供給手段が危機に瀕する可能性があるのだと記憶にとめておかねばならない。」

ある情報筋はブルームバーグにこのように言った。「木曜日の事件で損害を負った船の一つを保険対象としていたDNK社は、戦争保険の保険料率を引き上げるだろう。ライバル会社のヘレニック・ウォー・リスク・クラブもまた、おそらくペルシア湾を通行する船に対してより高い保険料率をかけてくるだろう。船舶関係者らの見積もりによると、4月にVLCC船が135隻、5月にもまた118隻の石油タンカーが、ペルシア湾と紅海の地域で石油を積み込んだ。」

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( 翻訳者:SK )
( 記事ID:47043 )