スーダン:憲法の空白は国の経済の歩みを妨げる(2)
2019年06月27日付 al-Quds al-Arabi 紙

■憲法の空白はスーダン経済の歩みを妨げる

【ハルツーム:アナトリア通信】


一方、工業組合のサミール・アフマド・カースィム事務局長は、(スーダンの)工業生産能力が(従来の)40パーセント以下に低下したことを明らかにした。その背景にはスーダンの不安定な状況があるという。

また、カースィム事務局長は、政治、経済、治安の各状況の安定に代表される工業生産のための主要な要素が不十分である強調した。なお、これらは(エネルギーや燃料、労働力のような)工業の構成要素に影響を与えるものである。

さらにカースィム事務局長は、治安状況が不安定であるため工業労働者がここのところ職場に通い続けることができなくなっており、その結果として工業生産の減少につながっていると述べた。

スーダンは数年来、継続的な経済危機に苦しんでいる。具体的には、基礎的な商品に関する危機や紙幣の不足、繰り返される自国通貨の為替レート下落、さらには海外からの直接投資の鈍さが挙げられる。

さらに、2019年度の収支は、収入が1628億スーダン・ポンド(34億ドル)を超え、支出は約1947.6億スーダン・ポンド(41億ドル)となり、赤字はGDPの3.3%に達するとの予測が示されいるだ。

スーダンの各州では、ラマダーン月の最後の数日間、パンや燃料の深刻な危機に見舞われた。これは、軍本部前での座り込みデモ隊排除を受け、ほとんどの商店が市民に対して販売を止めたためである。

経済アナリストのハイサム・ムハンマド・ファトヒー氏は、スーダンがあらゆるレベルにおいて機能不全の状態にあると述べた。

また、ファトヒー氏は、暫定軍事評議会が「自由・変革同盟」やスーダン職能組合と合意した形式に基づいて、可及的速やかに行政府を組織する必要性を強調した。

そしてファトヒー氏は、「この行政の空白状態は事態を悪化させ、その間にも解決が難しくなっている。また、この機能不全は政治的な対立スーダンの心理的な評判とイメージを傷つけ、経済に打撃を与えている」と話した。

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( 翻訳者:中鉢夏輝 )
( 記事ID:47079 )