エルドアン大統領、中国訪問ーウイグル問題での発言は?
2019年07月03日付 Hurriyet 紙
タイイプ・エルドアン大統領は、中国国営放送である新華社通信へのインタビューにおいて、トルコの平和、安定、経済協定を損なう一方的な進展と制裁が正当なものではないと述べた。「一帯一路」プロジェクトに言及したエルドアン大統領は、「私たちは「イスタンブル新空港」が中国の「空のシルクロード」の最も重要な拠点の一つとなることを信じています。」と述べた。エルドアン大統領はトルコと中国間の政治、経済、商業、人材と文化的な領域において集中し、根本的な協定が存在していると強調したインタビューにおいて、以下のような表現を用いた。
■私の信愛なる習
「私たちの二国間の関係は2010年に私の首相時代に「戦略的協力関係」のレベルに引き上げました。私たちは近い時期に更にも先のレベルに引き上げたいと思っています。上級訪問が近年、頻繁になっていることは私たちの関係の進展の最も重要な指標です。習近平氏とはここ数年だけでも7回お会いしました。私たちの信愛なる習近平氏とは互いに信頼関係を築くことができ、更に親しい協力関係を発展させることができてとても満足に感じています。
私たちは「一帯一路」プロジェクトを最初に支持した国々のうちの一つです。私たちの「中間回廊」プロジェクトと「一帯一路」プロジェクトはその性質上連携しています。中華人民共和国主席習氏が交通・通信ネットワークを拡大することは、ただ物理・経済的にだけではなく同時に文化的そして人材的な繋がりを拡大するものであると私たちは考えています。私たちの国はこの目的に到達することに貢献する巨大プロジェクトの数々を次々に実現しています。アジアとヨーロッパを繋ぐヤヴズ・スルタン・セリム橋、マルマライとユーラシアトンネルプロジェクトと共に三つの新しく繋がっている鉄道網と陸路のネットワークを建造しているところである。イスタンブル新空港が中国の「空のシルクロード」の最も重要な拠点の一つになるということを信じています。開業をしているバクー=トビリシ=カルス鉄道を私たちのエディルネ・カルス間鉄道・連絡線プロジェクトと結合してコーカサスと中央アジアのヨーロッパとの繋がりを強化する事業を継続しているのです。
■制裁は正統ではない
トルコは、常に国際関係において協力と調整を前面に出してきた国です。グローバル、地域の平和と安定を損なう一方的なプロセスと制裁が正統なものではないと考えていると強調したく思います。ルールに則った国際的な通商を損なうプロセスからすべての国々は距離を置かなければなりません。中国と世界貿易機関(WTO、DTÖ)、G-20、国際連合、アジア相互協力信頼醸成措置会議、ユネスコと上海協力機構をはじめとして多国間のプラットフォームにおいて調整をおこなっています。G-20参加国が貿易の緊張緩和、DTÖの発展と改善のために中国と調整をおこなうことは大きな利益であると考えています。世界市場において不透明性が増している現状において先陣を切っているアクターとして中国とトルコの交流を増やすことは達成可能な最適な道であると考えています。
■観光分野における協力は順調に進展している
私たちの貿易取引高はバランスの取れた形で増やしていくという事で合意をしています。更にトルコの製品、とりわけ私たちの農産物は中国市場に入り始めました。中国の投資家たちの私たちの国への関心は続いています。観光分野における協力は順調に進展をしていて、両国民の双方向の訪問数は増えています。私たちの「中間回廊」と中国の「一帯一路」プロジェクトは連携しています。この連携は、私たちに中央アジアとアフリカといった広い地理において中国と協力することを可能にしています。
■会談を緊密にしようとしています
発展をしている二つの強力なG-20国として、私たちの関係におけるこの加速を継続させることは私たち国民の繁栄と国際的な安定の意味において重要です。このために上級訪問をあらゆる分野において緊密なものにする努力をしようとしています。双方向で増している訪問の成果の収穫を始めました。私たちの協力をどのように進展させることができるのかということに関する二者の具体的な議題が存在しています。そのために中国の友人たちとこの折衝を緊密なものにすればするほど、私たちの関係の政治、通商、文化のありとあらゆる側面が発展するのを皆で目撃することができると私は信じています。」
■天安門広場の歓迎
エルドアン大統領は、中華人民共和国主席の習近平氏による公式式典によって歓迎された。首都北京の天安門広場にある人民大会堂における式典でエルドアン大統領は、公用車を降りて習近平氏の出迎えを受けた。エルドアン大統領と習氏は護衛隊の前で挨拶を交わした後にその手にトルコ国旗と花々を手にした子供たちの傍へと向かって写真を撮った。エルドアン大統領は子供たちを気にかけた。
歓迎式典には、メヴリュト・チャヴシュオール外務大臣、ファーティヒ・ドンメズ・エネルギー天然資源大臣、ベラト・アルバイラク財務大臣、フルシ・アカル国防大臣、ムスタファ・ヴァランク産業技術大臣、ルフサル・ペキジャン商業大臣、メフメト・ジャヒト・トゥルハン交通インフラ大臣、ハカン・フィダン国家情報機関長官、イスマイル・デミル防衛産業庁長官、ファフレッティン・アルトゥン大統領府通信局局長、イブラヒム・カルン大統領府報道官も参加した。
■「ウイグル・トルコ人」に対してメッセージ
さらにエルドアン大統領は、以下のように話した。
「トルコは常に『一つの中国』原則を支持している」と述べ「新疆ウイグル自治区の多様な民族が、中国繁栄の恩恵を受けて幸せに暮らしていることは確固たる事実だ。トルコは、同自治区と中国の関係に亀裂を生じさせようとする者を許さない」などと強調した。
中国に暮らす私たちの友人たちはこれに与えた重要性を知っている。私たちもこのことに注意し歩みを進めています。しかしながらトルコにはバルカン半島から中央アジア、アフリカから東南アジアにまでいたる親類と兄弟が存在する国々と土地が存在しています。トルコの面積は783,600 km²ですが、概念的な地理はさらに広いです。トルコがこの土地において起こっている進展を注視することは非常に自然なことです。新疆ウイグル自治区は私たち民族の奥深い文化、歴史、人的な繋がりが存在する地理なのです。何年にも渡って我が国の様々な都市において生活を送っている何千人ものウイグルにルーツがある私たちの人民が存在しているのです。私たちは、新疆ウイグル自治区の親類たちが中国の不可分な一部として、平和、平穏、繁栄と自由の中で生きることを望んでいます。このためにも中国の関係各所と協力をして仕事を続ける注意を払っています。」
■トルコ-中国関係は国際的な安定に貢献している
エルドアン大統領の、中華人民共和国主席の習近平氏との人民大会堂における会談は昨日のトルコ時間で12時55分に開始し、1時間10分続いた。中華人民共和国主席の習近平氏と近年、頻繁に会合をおこない、相談を行っていると述べたエルドアン大統領は、以下のように述べた。
「トルコ-中国は二国間の関係を、あらゆる分野での長期的な認識と戦略的な視点により強化することで合意したと述べた。何千年にもわたる関係を持ち、シルクロードにより相互に結び付く古の文明の上に築かれたトルコ・中国間の協力を強化するためのポテンシャルは大きいことを確信しています。『一つの中国』政策は、トルコにとって戦略的な重要性を持つ。今回の私の中国訪問は、世界の平和と安定に向けた試練が増えつつあるこの時期に実現することとなった。トルコ・中国関係の強化は、地域と世界の安定にも大きく際立つ貢献をするだろう。」
その後エルドアン大統領は、習近平氏によって催された会食にも参加した。人民大会堂における食事会はメディアには非公開で開催された。
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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:47088 )