イランの最高指導者ハーメネイー師が日本の首相と会談(1)
2019年06月13日付 Hamshahri 紙
2019年6月13日の午前、イランの最高指導者ハーメネイー師は日本の安倍晋三首相と同行使節団と会談し、以下のように強調した。「イランはアメリカを一切信用しておらず、我が国はイラン核合意におけるアメリカとの過去の交渉の苦い経験を決して繰り返すことはないだろう。というのも寛大で賢明な国家は圧力を前提とした会談を受け入れはしないからだ。」
この会談の始めに、安倍首相はハーメネイー師に対して、「私はアメリカのトランプ大統領からのメッセージをあなたに渡すつもりである。」と伝えた。
それに対してハーメネイー師は「我々はあなたの善意と誠実さには疑いを持っていないが、あなたがアメリカ大統領について述べたことに関しては、私はトランプという人間にはいかなるメッセージの交換もする価値がないと見なしているし、彼に対する返答も一切持ち合わせていないし、今後も返答することはないだろう。」と答えた。 ハーメネイー師は加えて、「私がこれから語ることは、日本の首相との会談の枠内のことである。というのもある種の不平があろうとも、日本は我々の友好国のうちの一つと見なしているからだ。」と述べた。
ハーメネイー師は、トランプ大統領が安倍首相に対して言った「アメリカはイランの体制転覆を目論んではいない」という言葉に言及し、「アメリカ側に対する我々の懸念は政権転覆の件ではない。なぜならアメリカ側がもしそのようなことを目論んだとしてもそれを実行することができないからである。五年前にかつてのアメリカ大統領たちがイランを破滅に導こうとしたが、それは成功しなかったように。」
また「トランプ大統領がイランの体制を変えるつもりはないという言葉は嘘である。というのも、彼がもしそうすることができたならすでにやっていただろう。しかし実際できないのだ。」と指摘した。
ハーメネイー師は核問題に関する協議をアメリカが望んでいるという日本の首相の言葉に言及して、「イランは5,6年間、核問題についてアメリカと欧州諸国との六カ国協議の枠組みの中で協議を続け、1つの合意にもたどり着いた。しかし、アメリカはこの決定的な協定を反故にした。ゆえにこの全ての合意を反故にした国と再び協議をする賢い人は居るであろうか。」とも述べた。
ハーメネイー師は、イラン製核兵器拡散防止のアメリカの思惑に関する安倍首相の他の発言に言及し、こう付け加えた。「我々は核兵器に反対である。また私の出したファトワー[訳注:イスラーム法学に基づいて発令される教令]では、核兵器製造はハラーム[訳注:イスラーム法学に基づいた禁止行為]である。しかしこれは知っておいて欲しい。もし仮に我々が核兵器を製造する意図があったとしても、アメリカは何もすることはできないだろう。アメリカが許可しなくとも、何の障壁にもならない。」と述べた。
ハーメネイー師は核兵器の保有も理性に反する行為であることを強調し、「アメリカは、どの国が核兵器を保有可能で、どの国が保有すべきではないかということについて語る資格はない。なぜなら、アメリカは何千もの核弾頭を保有しているからである。」と指摘した。
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:K.S. )
( 記事ID:47172 )