『詩人X』がカーネギー賞を受賞
2019年06月19日付 Hamshahri 紙


 イギリスで最も歴史を有する児童文学の最高賞であるカーネギー賞が、ドミニカ系アメリカ人作家のエリザベス・アセヴェドElizabeth Acevedo氏の作品『詩人X』The Poet X (HarperTeen, 2018)に授与された。

 イラン学生通信によると、エリザベス・アセヴェド氏は非白色人種[訳注:原文ママ]の作家として初めてカーネギー賞を受賞した。本賞は1936年に最初の授与式が行われ、過去の受賞者には、C・S・ルイス氏やアーサー・ランサム氏、ニール・ゲイマン氏らが名を連ねている。

 アセヴェド氏は、イギリスに住むドミニカ共和国からの移民の家庭に生まれた。本賞を受賞した『詩人X』は、彼女の小説家としての処女作だ。本作品は韻文小説で、学校の詩人クラブに入部した無口な少女・クシオマラXiomaraを巡る物語である。カーネギー賞審査委員会の発表によれば、本作品は、文化や家族、信念というテーマを革新的な韻文形態で描き出されている。この度ついに有色人種[原文ママ]に贈られることとなったこのカーネギー賞だが、2年前は本賞の20名の一次審査通過者全員が白色人種で占められていた。これをきっかけにカーネギー賞の人種の多様性のなさに対して、大規模な抗議運動が巻き起こった。

 昨年、イギリスの作家ジェラルディン・マコックランGeraldine McCaughrean氏が『世界が終わる場所』Where the World Endsを著し、カーネギー賞を受賞した。

 カーネギー賞は、イギリスで最も歴史ある児童文学の最高賞である。毎年、イギリスの[図書館協会から選出される児童図書館]司書と、[子供や親、教師などの様々な人々の意見を総合し]前年にイギリスで出版された児童文学作品で最良とされた作品に授与される。本賞は、世界中の英語圏の国々に2800以上もの図書館を設立したスコットランド生まれの慈善家であるアンドリュー・カーネギーAndrew Carnegie (1835–1919)を記念して、1936年に創設された。その19年後、19世紀に活躍した挿絵画家で絵本作家ある芸術家の名を冠した、ケイト・グリーナウェイKate Greenaway賞が創設された。

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( 翻訳者:MH )
( 記事ID:47246 )