若者の失業深刻:誰かが定年になってくれれば...
2019年07月28日付 Cumhuriyet 紙
トルコでの失業率が日毎に増す中、最も失業率の高い層は、何と残念なことに若者である。トルコ統計協会の広義の失業データによると、15歳以上の失業者数は、約400万人である。大卒で失業中の若者は、未来について希望がなく悲観的である。
「失業に対して、私たちが何を感じているかは言葉にできない」と述べた大卒の失業者の若者は、本紙に行ったインタビューで、「失望、仕事で自分を活かせないという感情、努力とそれにかけた年月が無駄になるのを眺め、精神状態も悪くなり、家族との問題も起こる、と多くの問題に直面している。求職のエントリーでは、経験を必要としている。しかし...」と述べた。
トルコ労働機構のデータによると、トルコで記録にある失業者の899人は博士課程卒、2万592人は修士課程卒、66万4507人は大卒である。大卒の若者たちと失業、業界の状況、求職中に経験したことについて話した。
■好きな仕事か、危機か
ハンデ・アクヨル(24)は、2年前トラキヤ大学歴史学科を卒業した。若い教師候補として約2年間失業しているアイコルさんは、短期雇用で教師を務めた。失業中のアイコルさんは、経験したことを次のように説明した。
「私立の学校は、一般的に就職するのに5年間の経験を必要としている。仕事を始めずに経験を得るのは不可能であるとお分かりでしょう。若くて輝かしい世代を彼らは必要としていないということがわかりました。若い建築家や技師や教師や、ほかにも多くを、このような形で隅へ押しやって危機を引きずっている。扉は開いていないし、あるいは、空いている扉は再び閉じられる。私は教師であり、仕事を愛している。教師資格を得るのに何年間も様々な試験を受け採用されるのを待たなければならない。もちろん、この期間中により厳しい条件でかなり低い給料の仕事を行うことや、好きでない仕事をこなし日々危機を過ごすことになるでしょう。」
■経験という条件で線引きする
バイジャン・アカル(29)は、コジャエリ大学カラムリュセル高等職業学校水産学科を6年前に卒業した。アカルさんも経験で線引きされたと述べて、次のよう続けた。
「誰か退職してほしい、その後任に私が採用されたいと待ち望んでいる、あるいは、別の業界の別の仕事をする。」
■理由は縁故(ネポティズム)
メルト・チェリキオール(26)は、4年前ドゥムルプナル大学政治学国際関係学部を卒業した。その後、外国語教育のためにマルタに留学した。帰国後長い間仕事が見つからなかったチェリキオールさんは、学術上のキャリアを作るために大学院に通い始めた。縁故(親戚や人物の身びいき、主観的で公正ではない形で行われる差別)が物を言う学界から離れたと述べたチェリキオールさんは、「失業に対して何を感じているかは言葉では言い表せない」と述べた。
チェリキオールさんは、次のように話した。「失望、仕事で自分を活かせないという感情、努力とそれにかけた年月が無駄になるのを眺めること、精神状態が上下すること、家族との問題。 若者は、正しい形で導かれていない。全く事に通じる人を育てられていない。私は、職業差別をしない。私にとってウェイターが教授より上ということもあり得る。しかし、私は院に進み自分を磨き、これほど努力してきたのに、どうしてほかの職業で働かなければならないのか。失業の最大の原因はこれらのことと縁故である。」
■コネは全ての分野でたくさんある
カアン・アイクト(23)は、2年前ベイケント大学職業高等学校機械技術学科を奨学生として卒業した。卒業後、学科と関連のある仕事は見つからなかったと説明したアイクトさんは、いまだに学生と日銭仕事を両立していると述べた。専攻分野で「欠員あり」という募集に対して、実際はそうではないとし、面接に行ったときに見たことを次のように話した。「求職中に起こった問題の一つは次のようなことです。経験を必要としているのに誰も経験を与えない。コネは全ての分野で過剰です。この状況に直面して、求職熱が冷めて国に貢献しないといった気持ちになったことが多々あります。実際、今日の頭脳流出はこのことをよく説明してます。若者は仕事でなく給与が気に入らない。雇用主は最低賃金で技師を務めること期待している。ここまで学んだ後、トルコ労働機構の職員が冗談のようにスーパーのレジ係を勧めるのには失笑しました」と述べた。
■終わりのない研修期間
サラ・A(25)は、アクデニズ大学コミュニケーション学部ラジオ・テレビ・映画学科を卒業した。サラ・Aさんと一緒に卒業した友達が誰一人として全国ネットのメディアの研修を行う機会すら与えられなかったと説明した。サラ・Aさんは、男性の友達の大半は警察官や軍人といった職業、女性の友達は契約講師やスーパーの販売マネージャー、露天売りなどの仕事をせざるを得なかったと述べた。仕事が好きでやりたいと思ったにもかかわらず、とても厳しい状況になったと述べたサラ・Aさんは、「学校卒業後、発生した最も大きな問題は、新聞社でのいつ終わるのかがわからない研修期間です。いつ終わるのかが明らかでなく、いつ採用されるのかも明らかでない。給料を払わず長期間働かされている」と述べた。
■安価な労働者をはたらかせる
オイキュ・デミルヒサル(28)は、ミマル・スィナン芸術大学文学科を卒業した。デミルヒサルさんは、2年近く求職活動をしている。デミルヒサルさんによると、文理学部が毎年必要以上に学生を卒業させることが教育関係の仕事を探すのを困難にする最大の要因である。仕事が見つからないために経験も少なく採用されないと述べたデミルヒサルさんは、経験した問題について語った。
「私より年下の教師あるいは現在の大学生は、経験を積み、後により良い場所で職を得るためにこの条件を受け入れており、一般的に1カ月も経たずして給料をもらわずに仕事を辞めさせられる。これほど多くの卒業生がいれば、無給の労働力を使うのは簡単である。私は、誰もが仕事を好きでないといった状態であるとは考えない。大学卒として販売員に応募すると私に「あなたは四年制の大卒である。自分の専攻分野で仕事が見つかれば、すぐに辞めるでしょう」という理由で採用しない。結果として、自分の専攻分野でも他の分野でも仕事は見つからない。一定期間スクールにも通い、専攻分野以外にも教育も受け、3ヶ国語話せる友達も失業中。こうしたことが就職に役立つとは思っていない。なぜなら、会社の多くが安価な労働力をどう使うかと思案中であるからである。」
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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:47257 )