スィリヴリ県沖合で9月26日に発生したマグニチュード5.8の地震の際にアヴジュラル市で倒壊したハジュ・アフメト・チュケンメズ・モスクのミナレットの取り壊しが始められた。このモスクのミナレットは建築基準を満たしておらず、14~16ミリメートル鉄筋の代わりに8ミリメートル鉄筋が使用されていたといわれている。
国道D-100号線のすぐ脇に位置するアヴジュラルへの入り口にある庭園で、アヴジュラルの宗務局事務所とコーラン教室が入った築39年のハジュ・アフメト・チュケンメズ・モスクのミナレットが地震で倒壊した。アヴジュラル市と県の環境都市対策室の職員が調査を行った後、1日おいてモスクはより詳細な調査を行うため立ち入り禁止となった。モスクとほかのミナレットは現在は倒壊リスクがないとされた。一方で取り壊しが決まった倒壊ミナレットの撤去手続きが完了し、ミナレットを切り出して撤去するため、業者との契約が結ばれた。本日朝10時頃に現場にやってきた職員がアヴジュラルの中央区出口にある国道D-100号線につながる道路を閉鎖し、クレーンを設置。これまでイスタンブルや周辺の地域で多数のモスクおよびミナレットの撤去を担ってきた専門家の一人ユジェル・オズデン氏は、スタッフ40人で作業を開始したとし、それぞれ20トン相当に分割して切り出し、クレーンで地上に降ろしていると話した。
■「ほかの地域でも同様の状況」
オズデン氏は、「このミナレットは建築時に検査を受けていなかったようだ。ミナレット内部もはしごが設置されていない。断裂した部分には8ミリ径の鉄筋が入っていた。こういう場合、最低でも14~16ミリ径でなければならない。さらに内部にもそれぞれお互いに支え合うためのはしごも設置しなければならない。内部にはこのはしごもなかった。風が吹き付けられると強度の弱い部分から断裂する。これはアヴジュラルのモスクに限った話ではない。他地域で我々が撤去してきたモスクのミナレットにも同様の状況がみられた。勝手に建設されたものだ。撤去時にひっくり返ったり、ばらばらになったり、破裂したりする。こうした古い構造物にはつねにトラブルがつきものだ」と話した。オズデン氏は、ミナレットは外径5.8メートル、内径は5.2メートルで、切断後チェーンで引き下ろす切断部分がバランスよく釣り合いを取る必要があり、夜までには作業が完了する見込みだと述べた。
アヴジュラルのムフティであるベキル・デリン師は、モスクや他のミナレットに関するリスク報告はなかったと延べ、モスクはすぐに礼拝に使用できると話した。
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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:47811 )