国防省は、トルコ国軍(TSK)はトルコとアメリカの間で結ばれた合意に全面的に随っているが、これに対しテロ組織PKK/YPGが擾乱射撃を行ったと伝えた。TSKは地域でのテロリストらの行動を24時間監視している。タル・アブヤドやラス・アルアインのテロリストの一部が、それぞれの郡の南部の山道をさらに下ったことが確認された。
国防省(MSB)の情報によると、昨日(19日)からPKK/YPGのテロリストらは直近36時間以内に14回の擾乱射撃を行った。榴弾砲、ロケット弾、デュシーカ(重機関銃)、対空・対戦車兵器といった様々な軽・重火器で、ラス・アルアインの12ヶ所、タル・アブヤドの1ヶ所、そしてタル・タミルの1ヶ所の地点から擾乱射撃を行った。擾乱射撃が行われたタル・タミル地域は、ラス・アルアインとハサカ郊外の間で、シリア政府軍の管理下にある。MSBから昨夜行われた発表によると、停戦合意の枠組みで、テロ組織PKK/YPGが120時間以内に安全地帯から撤退することが注視されているという。発表で、「この合意で、いかなる妨害も行われず安全に使用される道の情報を、米軍の責任者に不足なく伝えている。さらに今日、多くは救急車からなる39台の車列が、ラス・アルアインに安全に出入りを行い、負傷者と数人が地域から安全に送り出された。この件に関して、米軍の責任者と綿密な協力を続けている」と述べられた。
■TSKが24時間監視
TSKの部隊は、日中は長距離、夜は熱感知の双眼鏡と無人航空機(IHA)を使って、この地域でのテロリストらの動きを24時間監視している。タル・アブヤドとラス・アルアインのテロリストらの一部が、山道からさらに下っていることが確認された。TSKは、テロリストらが撤退の際どのような武器を持っているかも確認している。結ばれた合意に従い、120時間後にテロリストが予定通り地域から撤退していれば、TSKは残された重火器や陣地、要塞、トンネルを破壊する予定だ。TSKは、PKK/YPGが撤退した各郡の中心地と中心地に近い場所に隠されていた手製爆弾(EYP)と地雷の除去を綿密に続けている。危険な地域に民間人が立ち入らないよう、アラビア語でアナウンスが行われ、チラシが撒かれている。
MSBは、一昨日(18日)から、TSKの勢力下に置かれたユーフラテス川東岸の地域で、生活が通常に戻り始めていると伝えた。シリア国民軍も、タル・アブヤドで市民の代表者や部族のリーダーらと会合を行い始めた。会合では、市民の優先の必要とともに、テロ組織からの挑発が行われる可能性について警告が行われた。TSK所属の特別装甲重機とコンクリートブロックを運ぶ長距離輸送用大型トレーラー(TIR)も、タル・アブヤドに入り始めた。コンクリートブロックと重機は、タル・アブヤドでTSKが一時的に駐屯するための場所を作る際に使われる。同様の駐屯地はラス・アルアインでもすでに作られた。TSKがこの地域に作ろうと計画している12の監視地点のうち5つは、タル・アブヤド‐ラス・アルアインラインの南側に作られる予定だ。
■アルメニア教会、作戦により救出
テロ組織PKK/YPGのユーフラテス川の東側にあるタル・アブヤド郡中心地では、アルメニア人たちの教会が占拠され、閉鎖されて礼拝に使えなくなり、司令部とされているのが見られた。教会では、神父が祈りを行ったり説教を行ったりするために使われる部分に、テロ組織の首領アブドゥッラー・オジャランのポスターが掲げられているのが目を引いた。この教会は、平和の泉作戦によってPKK/YPGから救い出された後、保護下におかれた。教会の安全を確保したシリア国民軍(SMO)の指揮官の1人アブー・アブド氏は、「我々がタル・アブヤド郡中心部に入った時、教会には近づけなかった。我々は、教会が戦闘によって損害を受けることを望んていなかった。キリスト教徒とアルメニア教徒の兄弟たちに、タル・アブヤドに帰るよう呼びかけている。教会に来て礼拝を行うことができる。我々は兄弟だ」と話した。
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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:47867 )