シャムハーニー氏「中東はアメリカがいなければもっと安全な場所である」
2019年10月14日付 Hamshahri 紙
〔ハムシャフリー電子版〕国家安全保障最高評議会書記は「西アジア地域の多くの国は、何年もの間この地域で米軍駐留の地均しをし受け入れてきた国々でさえ、『中東はアメリカがいなければもっと安全な場所である』という事実を認めるだろう。」と述べた。
国家安全保障最高評議会書記のアリー・シャムハーニー氏は、「アメリカ政府上層部は現実的状況を踏まえ、世界、とりわけその中核、即ち中東における権力のバランスと政治的幾何学が変化し、自国の大々的なあらゆる宣伝に反して、アメリカ合衆国はもはや国際秩序に対する絶対的君臨を主張することはできないとの判断に至ったようだ」と述べた。
イラン学生通信によると、国家安全保障最高評議会最高指導者代理で同評議会書記のアリー・シャムハーニー氏は、短い覚書に次のように記した。
1- アメリカ政府高官によるこの2か月間での3回にわたる明確な見解表明は、以前はこの国における統治機構が敢えてその受け入れや表明をしようとしてこなかった真実が暴かれたことを示すものである。
2- イエメンのアンサール・アッラー[訳注:フーシ派の正式名称]によるサウジアラビア・アラムコ社の石油施設へのドローン攻撃の後、またこの攻撃の実行犯への対応に向けたサウジ王室の要請に対して、アメリカ政府要人らはサウジアラビアの要請を受け入れないことを明確に強調し、攻撃を受けたのはサウジアラビアであってアメリカではないと述べた。
3- この地域における相次ぐ軍事的、政治的敗北の結果、米軍の同地域駐留経費は80億ドル[訳注:「8兆ドル」の誤りと思われる]に上ることが明らかになり、中東における米国の駐留は何の成果もなく、愚かな措置であったことが発表された。
4- 最近のトルコによるシリア北部への攻撃とアメリカによるクルド人の盟友に対する裏切りの後、アメリカ当局は、イラク国内に大量破壊兵器が存在するという虚偽の主張でイラクで血生臭い戦争を引き起こしたことを認めつつ、中東の罠に飛び込むのは最悪の決断であり、それは今日にいたるまでアメリカの歴史の中で下されてきたものだと述べた。
5- アメリカ政府上層部は現実的状況を踏まえ、世界、とりわけその中核、即ち中東における権力のバランスと政治的幾何学が変化し、自国の大々的なあらゆる宣伝に反して、アメリカ合衆国はもはや国際秩序に対する絶対的君臨を主張することはできないとの判断に至ったようだ。
6- アメリカは、膨大な支出に耐え、ただ世界の超大国の空虚な仮面を被って満足すべきか、あるいは現実的なアプローチで現在の世界情勢を受け入れ、この露わになった偽装のための莫大な費用負担から自国を解放すべきかという2つの道だけしか目の前にはないという現実を理解している。
7- より適した言葉でいえば、アメリカ政府上層部は、現在アメリカはどんな理由にせよ超大国に必要な条件を満たしておらず、最盛期の復活は非現実的で不可能であるということを理解するに至っている。なぜなら「中東の分断」「世紀の取引」「イランの体制転換」「サウジアラビアの中東地域の憲兵化」「イエメン内戦」「アフガニスタン和平」「シリア危機」などの戦略的プロジェクト実施においてアメリカの無力さは誰の目にも明らかだからである。
8- アメリカ政府上層部による苦渋であるも教訓となる表白の言葉が原因となり、西アジア地域の多くの国が、何年もの間地域における米軍駐留の地均しと受け入れを行なってきた国々でさえも、「中東はアメリカがいなければもっと安全な場所である」という事実を認めることとなった。
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( 翻訳者:UK )
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