ムーラ県フェトヒイェ郡で行われた「トルコにおける地震の実態」という講演を行った日本人地震専門家で建築士の森脇義則氏は、地震の発生数において世界で第6位であるトルコが、地震を起因とする死者の数では世界第3位であることを明らかにし、この状況が、建物の足りない部分をはっきりと表していると述べた。
ムーラ・ストクゥ・コチマン大学経営学部において、「トルコにおける地震の実態」という題目で講演が行われた。講演には日本の地震専門家で建築家の森脇義則氏が、話し手として参加した。
地震専門家の森脇氏は、トルコ国土の97%は地震のリスクがあると話した。地震についてトルコと日本に関する比較を行った森脇氏は、面積をみるとトルコの半分ほどの土地をもつ日本が、トルコの2倍の人口を抱えていることを説明した。
このため、日本では面積をとらない超高層ビルを建設せざるを得ないことに注目した森脇氏は、トルコで近年、急速に増えている超高層ビルについては理解できないと話した。森脇氏は、世界で、地震の発生数において日本が第4位、トルコが第6位の位置にあることに注目した。
地震による死者数の観点からは、日本が第7位、トルコが第3位にあることを強調した森脇氏は、トルコのことを考えると非常に好ましくないこの状況は建築された建物の足りない部分に起因していると述べた。
■『土木技師らへ大きな任務が課されている』
耐震の建物は、起こりうる損害を70%まで減らすことができると説明した森脇氏は、以下のように話した。「トルコで発生した地震を調査していたとき、ある建物が完全に倒壊する一方で、すぐ隣の建物は倒壊せず、被害も少なかったことがわかった。これも建物の構造的な欠陥を私たちに示している。
これらの問題は、建設の過程で不十分な情報に加えて、材料が盗まれることが原因となっている。建物の丈夫な建築の管理において土木技師に重要な任務が課せられている。十分な管理がなされない建物は、地震発生時、命を落としかねない大きなリスクを孕んでいる。」
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( 翻訳者:大畠梨紗子 )
( 記事ID:48073 )