ヨルダン部族長、トルコに連合の呼びかけ
2019年12月19日付 Hurriyet 紙


ヨルダンの有力部族長の1人、タラール・アル=マーディ氏は、ヨルダンとトルコの同盟が必要だと述べた。

上院議員でもあるタラール・アル=マーディ氏は、ヨルダンと中東における最近の情勢に関して、アナトリア通信社(AA)の記者に語った。

マーディ氏は、「我々は、今後、絶対的な透明性への必要性を強く感じている」と述べ、アメリカやヨーロッパの国々をはじめとした一部の強力なプレーヤーが地域に関するプランを持っていることを指摘した。

ヨルダンを待ち受ける懸念されうる展開について、政府関係者らは検討する必要があると述べ、アラブ諸国はイスラームの規範のもとに策定された計画を持つべきであるが、現状ではそれは可能だと思えないと強く主張した。

「我々への利益はどこに?」と述べるマーディ氏は、次のように続けた。

「我々の利益は、イランの計画との協働か?私は絶対に『そうではない』と思っている。では、シオニストやアメリカの計画に味方することか?もちろん否だ。我々にとっていかなる利益もあるはずがない。彼らは、友好関係や同盟関係に対する忠誠心など持ち合わせていない。
地域に関するヴィジョンを持ち、我々と親しい国は、トルコしか残っていない。ゆえに、トルコと同盟を組まねばならない。
我々には2種類の言葉があるはずだ。1つはトルコ人に向けたもの、もう1つは地域の反トルコ派の者たちに向けたものだ。」

「我々はアメリカから何を得たか?」と問い、現在のヴィジョンとはもっと異なる国家戦略を持つことを望んでいるというマーディ部族長は、「どこかのポイントで停まって、政治の行き先について考える必要がある」と指摘した。

■部族主義と政党主義

マーディ部族長は、ヨルダンのあらゆる社会組織は部族に基づいており、ヨルダンの政権は、私益に適う部族に集中しており、そうした部族を統治システムの基盤にしていると述べた。

このシステムを維持する目的は、部族関係者を政治的組織から遠ざけておくためだと指摘した。

マーディ部族長は、ヨルダンは法治国家であるが、それでも政府は、多くの問題を部族主義によって解決できてきたがゆえに、このシステムを支持し続けていると述べた。

「私は、部族が国家の政治を司ろうとすることに反対だ。それは政党の仕事だ。政治的意志が民主的な方法で政党に活動の機会を与えることで、部族の枠組みの外で文化を形成することはできる。

ヨルダンでは政党活動が適切な形で行われていない。これを機能させるよう王国が呼びかけているにもかかわらず失敗しているのは、実行について政府の意志がないからだ。」

■改革法

マーディ部族長は、数か月前の国王アブドゥッラー2世との会談で、国王が「国家の発展のために国民は私の考えを支持しているが、政府はそこに注意を払わず、指示を無視している」と話したことを語った。

そして、「国王は大略を定める。政府のすべきことは具体的に実行することだ。我々の抱える問題は、政府の行政意思にある」と見解を語り、トルコのように選挙で得票率制限制度を適用するべきだと強調した。

ヨルダン政府に、選挙法をはじめとする改革法を出してくれる「切り札」が出現することを願っていると述べたマーディ部族長は、そうしたプレーヤーが現れた場合、国家と国民に奉仕するためにその人物に協力する準備ができていると話した。

ヨルダンでは、2016年に直近の総選挙が行われ、国会議員らは初めて、政党の結成において重大な障害としてとらえられていた「単記非移譲式投票」に代わって、選挙リストに基づく新たな法律によって選ばれた。

憲法で定められた議会の任期は、2020年4月30日で満了するが、2020年2月に解散し、総選挙に移ることが予想されている。

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( 翻訳者:金戸 渉 )
( 記事ID:48286 )