国会議長、トランプの和平案に反発
2020年01月29日付 Hurriyet 紙

トルコ大国民議会(TBMM)のムスタファ・シェントプ議長は、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領のいわゆる中東和平案に関して、「議会に会派を持つ政党の会派副代表らと面談した。彼らが議会の名で、この中東和平案を非難し、間違いを指摘する共同声明を出してくれることだろう」と述べた。

シェントプ氏は議会で、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領がイスラエルのネタニヤフ首相とともに発表したいわゆる「中東和平案」に関する記者からの数々の質問に答えて、「昨日、アメリカ合衆国大統領は、現在汚職に関連して裁かれているイスラエルの首相を傍において、パレスチナの土地、更にはシリアの領土について発表を行った。そしてこれが中東の平和、イスラエル-パレスチナの和平プランだと述べたが、このプランが地域における平和ではなく、その真逆で衝突を扇動するものだということは明らかだ」と語った。

シェントプ氏は、イスラエルの今日までの主張と、占領下においた土地の所有についての様々な主張がアメリカによって認められたように見受けられたと述べ、特にアメリカ合衆国のトランプ大統領が、まるで世界の証書をその手に有する人物であるかのように振舞い、シリアの領土のような第三国の土地に関しての決定を下すことができると考えていることは、国際法の観点から非常に憂うべき構図である」と強調した。

■「この行為の名前は国際強奪だ」

シェントプ氏は、以下のように言葉を続けた。
「国際的な分野では、あらゆる分野でそうであるように法が存在する。もしも法が存在しないのであれば、力を行使するのは略奪行為だ。この行為の名前は国際強奪だ。さらに、パレスチナの国民からの要望やこの問題についての論文の数々、そして各種の見解を検証することもない一方的な宣言で、まるでネタニヤフの選挙キャンペーンへの支援だと思えるようなスタンスだ。昨日、私はこれに関する私の見解を表明した。今日も、議会に会派を持つ政党の会派副代表らと面談した。議会の名で、この中東和平案を非難し、間違いを指摘する共同声明を出してくれることだろう。この問題は、長い歴史を持つ問題だ。1947年以来パレスチナの大地に対するイスラエルの占領が続いている。いくつもの地域が、その後の衝突によって占領されてしまった地域だ。この問題についての国際法と国連の各種の決定は明確だ。イスラエルの占領主義は、国連をはじめとする国際的な諸組織によって、表明されてきた。アメリカ合衆国のこの態度、スタンスは、この地域だけではなく、世界においても、平和への重大な妨害として、我々の前に立ち塞がるだろう。

パレスチナとイスラエルの不和の過去を振り返ってみれば、力を行使することで地域でいくつかの成果を得ることは今日まで不可能だったのが分かる。アメリカ合衆国も、自らの力を行使して同じ道を試そうと試みている。私たちの過去の70年間は、これが不可能だということを示した。今後も不可能だろう。私は全ての国々へ、国際法と国連をはじめとする国際的な諸組織の決定を尊重し、国々の主権に対して敬意を払い続けるよう呼び掛ける。」

シェントプ氏は、イドリブで起こった様々な展開に関する記者からの質問に答えて、アスタナプロセスの一環で、特にレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領がロシアのウラジミール・プーチン大統領と行った会合の枠組みにおいて、地域で衝突が存在しない状況が構築されたことを取り上げた。シェントプTBMM議長は、「これに両者が従わなければならなかったが、体制にこれに従わない行動や違反があった。トルコは、監視地点においても衝突のない状況を確認する任務を担っている。これは各種の合意の下で実現しているものだ。この合意を破る側に関してもまた必要な会談、交渉が行われる」と見解を述べた。

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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:48489 )