アサド政権勢力とロシアのイドリブ攻撃によって直近1週間で15万1千人の民間人が再びトルコ国境へと移動した。
シリアでバッシャール・アサド政権とその支持者による集中的な攻撃によって、直近1週間で15万1千人の民間人が再びトルコ国境へと移動し、攻撃が激化した2019年11月以降から今日までに移動した人数は69万2千人に到達した。
地域で移動者の情報に関する調査を行なっているムハンマド・ハラージ・シリア調停調整長がアナトリア通信社の記者に答えた情報によれば、イドリブのアリーハ、サラーキブ、ジャバル・ザヴィイェ地域からの移動が増加・継続している。
アサド政権軍、イランの支援を受けたテロ集団から成る政権勢力、ロシアの攻撃の結果、直近1週間で15万1千人の民間人が再び移動を余儀なくされた。
移動を余儀なくされた大部分は、トルコの国境線にあるキャンプ地帯に移る一方で、一部はトルコがテロ組織から奪還した「ユーフラテスの盾作戦」と「オリーブの枝」作戦地域へと移った。
イドリブ南部と南東部、アレッポの西部と南部の農村居住地から2019年11月以降今日まで69万2千人の民間人が移住を余儀なくされた。一方で、アレッポ西部と南部にあるダラト・イッゼ、アターリブ、フライターン、ハヤーン、アナダーン、アインジャラなどの地域からの移動も継続している。
イドリブのキャンプが一杯になり、新たなテントを設置する場所とインフラがなく、支援の減少によって、数千人の民間人が移動先を見つけることに苦労している。
攻撃から逃げて家をなくし、最低限の生活必需品を調達することに苦労している数千もの家族が、支援を待っている。
■アスタナ会議とソチ合意に適応していない
シリア北西に位置するイドリブ県はほとんど内戦の開始時から今日まで反政府武装組織の牙城である。国内移住によって人口が400万人に到達したイドリブの中心地は、2015年に反政府勢力の掌握下に入った。イドリブは、政権が最も集中的に標的とした地域の筆頭である。
トルコ、ロシア、イランが参加した2017年5月4日・5日のアスタナ会議では、イドリブ県とその近隣県(ラズキイェ、ハマー、アレッポ県)の一部の地域、ホムス県北部、首都ダマスカスの東グータ、南部地域(ダラー、クネイトラ県)をはじめとし、4つの「緊張緩和地帯」を構築した。しかし、政権とイラン支援を受けているテロリストは、停戦を宣言して現状維持が決定されている4つの地域のうちイドリブを除いた残りの地域を、ロシアの航空支援によって奪取した。 攻撃が集中した2019年11月頭以降今日までトルコ国境へ130万人の民間人が移動した。爆撃により1800人以上の民間人が犠牲になった。
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( 翻訳者:森彩音 )
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