ペガサス航空機事故、暫定報告書明らかに
2020年03月12日付 Cumhuriyet 紙


検察局に届いた予備報告では、「音声記録によれば、着陸の約6分前に飛行機に落下した落雷のため、機体にあらゆるトラブルが発生する可能性から、パイロットのストレスが高まり、一刻も早く着陸したいという要望があったと明らかにされた」と記された。

サビハ・ギョクチェン空港で起こった飛行機事故に関して予備報告が作成された。報告書は、捜査を行う[イスタンブル]アナトリア検察局に送られた。予備報告では、管制塔から提供された最初の情報が外国籍のパイロットには理解されておらず、情報が英語ではなくトルコ語で提供されたことが明らかにされた。パイロットは着陸から6秒後にブレーキをかけたと明らかにされた。

サビハ・ギョクチェン空港で2月5日にイズミル-イスタンブル便を運行したペガサス航空の飛行機は、着陸後に滑走路から脱線し、未整備地域に落ちた。乗客3人が命を落とし、乗組員を含む180人が負傷した。事故後アナトリア検察局によって捜査が始められた。飛行機の機長が逮捕された。交通インフラ整備省交通安全調査庁の調査・検証をもとに作成された予備報告が検察局に届けられた。

■副操縦士はトルコ語を知らなかった

報告書によると、飛行計画書はマフムト・アルスラン機長によって署名されており、飛行機と管制塔間で行われた無線通信によると、前の二つの飛行機が着陸をやめたと説明された。また、前の飛行機のうち一機が上空600m下で37ノットの追い風の情報を管制塔へ報告していたことが明らかにされ、管制塔もこの情報を事故機へトルコ語で伝達したが、副操縦士がオランダ国籍であったことに加えトルコ語を知らなかったためこの情報を理解することができなかった、と記された。一方で最後の無線通信において英語で270度より22ノットの風[が吹いていると]の情報を提供し着陸許可を与えたこと、飛行機が滑走路上に着陸し、着陸後スピードブレーキに続いてオートブレーキが自動的に発動したこと、逆推力装置が手動で発動されたことが明らかにされた。

■落雷後パイロットのストレスが高まった

スピードメーターが57ノットを表示した後スピードブレーキと逆推力装置が停止したこと、再度手動ブレーキがかけられたこと、[着陸から]6秒後まで機体の減速が停止したことが明らかにされた。報告書ではブレーキがかけられた際にスピードメーターが57ノットを示していたが、風の影響により局地的速度が84ノットであった時点から負の加速度が不十分であったことが原因となり滑走路を約60ノットの速度で脱線したと述べられた。音声記録によれば約6分前に飛行機に落雷が生じたため、機体にあらゆるトラブルが発生する可能性から、パイロットのストレスが高まり一刻も早く着陸したいと要望があったと明らかにされた。

■6秒後にブレーキが始まった

報告書では飛行機が管制塔とともに必要な手順を踏み、06滑走路への着陸許可を得ていたと述べられ、飛行機が着陸手順に従い、フライトデータレコーダーによれば下降線に偏差が見られたが、飛行機は適切に着陸していたと述べられた。また、滑走路上で減速のためスピードブレーキと逆推力装置が完全に作動したと述べられ、自動ブレーキが作動したことが明らかにされた。飛行機の表示速度は57ノットであったが、風の影響により局地的速度が84ノットであったと記された。F誘導路線上においてスピードブレーキと逆推力装置が停止し自動ブレーキが作動せず、F誘導路上においてブレーキがかけられない状態で6秒の間、飛行機は減速が見られなかったとされた。6秒後に急ブレーキがかけられたとする報告書では、ブレーキ圧が300万PSIに登り、滑走路の末端までこの状態が継続されたと記された。

■自然鎮火

飛行機は滑走路内で停止せず、24滑走路の前を通過し、まずILSアンテナに、その後に交替要員の待機場所にぶつかり、滑走路の端から30メートルの深さのある場所に落下し、機体は三つに分離したと説明された。エンジンおよび着陸装置が分離し、尾翼部分が損傷を被ったとし、民間航空機事故検証指針書に基づいて被害レベルを最高とした。左側エンジンから小規模な火災が発生したが、降雨のために自然鎮火したと述べられた

■機体に整備漏れはなかった

ペガサス航空運輸会社の保有する機体の定期点検と故障は、民間航空総局によって行われ、メンテナンス機構のTR.145.004の番号をもつ認定許可証にて定められた遵守事項に沿い定期メンテナンスが行われた、と述べられた。報告書では第3242号「耐空証明」が2019年5月10日に発行されており、2020年5月15日まで有効な証明書があると述べられた。

■燃料計画は飛行に適していた

報告書ではTC-IZK登録マークと37742番の種別B737-86Jの事故機が民間航空総局が2018年10月26日に作成した第3242号証明書を与えられていたことも記されている。飛行機の着陸重量が最大着陸重量制限を超えておらず、燃料計画が飛行に適していたことも確認されたと強調された。

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( 翻訳者:森彩音 )
( 記事ID:48656 )