レバノン:駐レバノン・米大使への取材禁止決定をめぐり、レバノンが米大使を召喚
2020年06月29日付 al-Quds al-Arabi 紙


■レバノン外務大臣、ワシントンの大使を召喚 「恋人たちの逢瀬」は終わり、大使館同士での声明の応酬に

【ベイルート:サアド・ヤース】

ブストロス宮殿(レバノン外務省)にて行われた「恋人たちの逢瀬」は、「ヒズブッラー」に近い人物である在スール・緊急問題担当裁判官のムハンマド・マーズィフ氏の決定が引き起こした、レバノン・米国間問題を含んでいた。その決定は、あらゆるメディアに対し1年間ドロシー・シアー駐レバノン米国大使へのインタビューを禁じるものであり、これに違反した場合は20万ドルに相当する罰金が科される。

時を同じくして、これと遠からぬ文脈で、ベイルートでは大使館同士による声明の応酬が起こった。在レバノン・イラン大使館は、米国大使の「報道の制限は、イランでは正常だがレバノンではそうではない」という発言に反応し、シアー大使を示唆しつつ「彼女はしゃべればしゃべるほど、自身と自身の国を貶めることになる。自分で作り上げたデマに基づいて他国を侮辱する権利など彼女にはない」と発言した。同様に、在レバノン・中国大使館が発表した声明は、「米国側が、他者が発展途上国を支援するのを邪魔しないよう」呼びかけた。

司法・財政上の決定の混乱でスールの裁判官と財務長官が辞職へ

一方、ワシントンの大使がレバノン外務省を訪問したことを巡って、波風が立った。シアー大使は、ナースィーフ・ハッティー外務大臣からの召喚に基づいて出席したと言われているが、ハッティー大臣の事務所から出された公式の声明には、「召喚」という言葉は含まれておらず、代わりに「招待」という言葉が含まれていた。他国の内政問題への不介入を定めたウィーン条約の遵守を米国大使に要求するよう外務大臣に圧力をかけるため、外務省の庁舎前で3月8日勢力の支援者らによって、弱々しげながらもデモが組織されていたにもかかわらず、である。シアー大使は、自身が「プラスである」と形容したこの面会について満足しているように見えた。彼女は「我々は論点ずらしの動きが見られる憂うべき決定のページをめくることによって、レバノン国内の経済状況悪化を含む真の危機に目を向けられるようになった」と語った。一方、緊急問題担当裁判所のマーズィフ裁判官は最高裁判所に出向くよう召喚されたが、同氏はその呼びかけに応じず、辞職する方向で考えている。「冗談が冗談家のマーズィフ氏へと跳ね返ってきた」(訳注:アラビア語のイディオム「魔法が魔法使いに跳ね返ってくる」をもじった表現。マーズィフ氏の名前「マーズィフ」Māziḥには、アラビア語で「冗談をいう人」という意味がある)というわけである。レバノンにおいて、こうした辞任はマーズィフ氏によるものだけではない。「自由国民潮流」に所属する財務省長官現職のビーファーニー氏も、突然辞職した。これは財務大臣顧問であるアンリ・シャウル氏に続く2例目の辞職となった。

(後略)

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( 翻訳者:了源康平 )
( 記事ID:49466 )