アメリカで製作されたクーロシュ・アーハーリー監督のサイコホラー映画「The Night」［訳注: 英語タイトル。ペルシア語タイトルは「ān shab」（「その夜」の意味）」はイスラーム革命後イランの映画館での上映が正式に許可された初のアメリカ映画となった。

デッドラインニュースによると、「The Night」はアーハーリー氏の初監督作品であり、イラン・アメリカの関係悪化以前に製作許可が得られ、両国のプロデューサーの協力により撮影が行われた。「セールスマン」で2016年カンヌ国際映画祭男優賞を授賞したシャハーブ・ホセイニーと、ニューシャー・ジャアファリヤーンが劇中で夫婦役を演じている。夫婦は1歳の娘と共に古びたホテルの中に囚われてしまう。彼らは謎の圧力に抗い脱出を試みるが、彼らの人生の隠された秘密が暴かれることになる。

「The Night」は2020年1月にサンタバーバラ国際映画祭において世界で初めて上映されたが、一般公開は新型コロナウイルスの流行の影響を受けた。イラン国内の状況が改善し、映画館の一部営業再開を受けてこの映画の一般公開が許可された。イラン・アメリカの政治的緊張が最高潮に高まる中、上映開始が期待されている。「The Night」は別の見方からも偉業を成し遂げている。イラン系アメリカ人(アメリカ市民権や永住権を獲得した人)の出演者やスタッフが製作に携わっていることである。撮影関係者の多くが、イラン人またはイラン系アメリカ人である。

興味深いことに、ホセイニーはこの映画で息子のアミールアリーと共演している。ジョージ・マグワイア、マイケル・グラハム、エレスター・ラッサム、アールミーン・メフル、ゴルバルグ・ハーヴァリー、アリー・クーシェシーらが「The Night」に出演している。現時点ではイラン国外での上映は決まっていないが、どの会社がこの映画を初めに欧米に配給するのか注目すべきである。「The Night」は昨年冬［訳注: イラン暦の元日は春分の日にあたるため、西暦2020年冬にあたる］に第38回ファジル国際映画祭のニュー・パースペクティブ部門で上映された。

Tweet

この記事の原文はこちら

　同じジャンルの記事を見る

（ 翻訳者:M.K. ）
（ 記事ID:49740 )