愛する人へのプレゼントにおすすめの本4選
2020年07月18日付 Hamshahri 紙


 大切な人に贈り物をすることは、ずっと昔から素敵な行いであり人々の関心事であった。贈り物を受け取り、送ることは相手方への親愛を表明するための分かりやすく明るい方法であり、今日の社会関係での健全な方法である。
 しかし贈り物をするときには、素敵でぴったりなプレゼントを選ぶように特別気を付けなければならない。プレゼント選びに関しては、値段的な価値よりもよく考えて意味的に価値を持つものを選ぶことが重要だ。そして、本は相手を助ける意味でも、相手が新鮮な知見を得られるという意味でも、最も良い贈り物といえる。
 これに関して、私たちは好きな人へ贈るのに最も良い本のいくつかの例をあなたに紹介してみようと思うので、以下お付き合い願いたい。


1. 新たなる生
2.
 『新たなる生』はフォルーグ・ファッロフザードの名で知られている、フォルーグ・アルザマーン・ファッロフザードの作品である。この詩人は5編の詩集―『囚われ人』、『壁』、『反逆』、『新たなる生』、『寒い季節の訪れを信じよう』―を出しているイラン人女性である。フォルーグの詩は、個人的状況と内なる感情から立ち上った霧が、やがて人間性と思慮に富んだ詩へとたなびいていくような段階にあったニーマー派の文体を引き継いでいる。
『新たなる生』では、新体詩を用いて、詩人の感情や情感を表現する上での美しさが表現されており、愛する人への贈り物にはうってつけである。以下、この本の短い一節の詩をご覧いただこう。

石のように私の声に耳を傾けてくれるあなた
石のように何も聞かず忘れてしまうあなた
新春の驟雨も小窓の見る夢も
誘惑の衝撃と混合してしまうあなた
新緑の茎のように愛撫する私の手を
死んだ葉とともに抱いてくれるあなた
酔いしれる魂よりも惑い その目を
炎の中に留め 気をやるあなた
ああ 私の血の池の中で泳ぐ金魚よ
幸いあれ 酔ったあなたが私を飲み込んでいく
薄暮の紫に染まる谷間で 陽を
その胸で押しつぶし消していくあなた
その陰にフォルーグは腰を下ろし青ざめる
なぜ彼女に陰に喪に服させるのか あなたよ


2.シャフリヤール詩集

 『シャフリヤール詩集』はシャフリヤールを雅号とするアーゼリーの詩人サイード・モハンマドホセイン・ベフジャット・タブリーズィーのペルシア語著作である。シャフリヤールの代表作はトルコ語で書かれた「ヘイデルバーバー」の詩である。
 シャフリヤールの不幸な恋の経験は、完全に勉強するのを止めたり、ひたすら詩作に向かったり、恋によって悲しみの果てに病になってしまうなど、その人生に大きな影響を与えた。シャフリヤールはその人生最後の日に、自身の病床の枕元に恋人を見とめ、大層熱烈な詩を詠む。膨大な恋の対句で編まれたシャフリヤールの詩集は、大好きな人への厳選された最も魅力的な贈り物の一つとなりうる。以下の対句は詩集から一部抜粋した例である。

あなたのいない言葉に聞く価値があると言うのか
あなたのいないこの体に息をする気力があると言うのか

預言者ヤァクーブの目が見えなくなった理由は明らか
恋人のいない詩に見出す価値があると言うのか


3. 鏡の中の鏡

 『鏡の中の鏡』はサーイェという雅号を持つ著名な詩人フーシャング・エブテハージの詩集である。この本はホシュナグ・エブテハージュの傑作の一つである。ホシュナグ・エブテハージュは素晴らしい、壮麗な詩を作ることに熟達している。
 この詩集には、作詩をする上での詩人の経験と熟達が現れている正統な抒情詩が収録されている。この詩集はチェシュメ出版によって度々再版されている。この本では著者の芸術的想像力の極致を明白に見て取り、彼の無比の抒情詩を楽しむことができる。『鏡の中の鏡』は好きな人に贈るための最もおすすめの品の一つになるだろう。ここであなたにこの本からの一部抜粋を紹介する。

吉報をもたらせ 吉報をもたらせ 愛しき人よ 私を選びし人
その人の影となり 私は太陽へと運ばれた

私の愛しき人 私の目 私の泣き笑い
私の選ばれし愛しい人 私を選びし人

私はカアバ神殿 私はギブラ―メッカを示すもの―私が祈りの方角なり
その正面で祈りのために体を曲げ そして私は口づけされる

私の目に映るのは 出会いに輝く かの人の視線
鏡の中の鏡となり 私はかの人を見 かの人は私を見た


 
4.『最上の楽しみ』
 詩集『最上の楽しみ』は巨匠フェリドゥン・モーシーリーの作品である。フェリドゥン・モーシーリーはイラン歴1305年生1379年没(西暦1926年生2000年没)の現代イラン詩人である。
 フェリドゥン・モーシーリーの詩や歌は、つねに読む価値があるとされる。なぜなら、彼の対句の中に現れる天性と文学的才能に一読の価値があることは明白だからである。これらの詩には、自然や恋、神秘主義、故郷、思想といったテーマが含まれる。フェリドゥン・モーシーリーの詩集や恋愛詩の中には、同じ長さの半句が三行と短い一行から成る「チャハールパーレ」という形式からなる詩が見られるだろう。
 特に素晴らしいのは韻律と押韻と同意語である。『最上の楽しみ』は愛する人への贈り物として最も良い恋と美の詩集の一つである。さらに、好きな人に贈るのにふさわしいその他の本のうちの数例も、購入リストに入れられるようにここで紹介しよう。
 フェリドゥン・モーシーリーは詩人であることに加えて音楽にも造詣が深く、長年「ラジオ詩歌協会」のメンバーであった。ここで恋愛詩選集からの一節を紹介しよう。

この息が止まるまで君を望みそして望んできた
望むあまり恋焦がれてしまった 僕には君の愛だけで十分
君の愛だけで充分 それはこの覚醒の炎が
檻の中の僕を長い夜を照らすものだった
逃げて行ったあの幸運は一瞬訪れそして去った
悲しみは常に僕が一息一息吐くたびに生まれた
僕の手と 君の抱擁 ああ! 生涯で
ただ一瞬でも君と共にいることが願いだった
神に誓って君の記憶がなければ僕は何者でもなく
ああ!君の愛がなければ僕はないも同然だった
君の悲哀に満ちたメシアのような横顔、ああ、愛よ!
この窮状における孤立感の中で 叫ぶことが習慣だった
唇を閉じ、丸焦げになり、僕は君の寝所から出て行った
出て行ったのは 神に誓って願うだけで僕には十分だったから

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:M.A. )
( 記事ID:49743 )