地獄に落ちてから償いをするつもりか!―ガラタ塔とイスタンブル運河建築工事の醜聞
2020年08月20日付 Cumhuriyet 紙
私の目の前で高く伸びる、ある美しいもの。私がそれと出会ったのは、69年に新たに修復されたときのことで、その周りでダイヤモンドのブレスレットのように輝く光とともに私のもとへおいで、というのだ。ちょうど私の窓から垣間みる物語のようである。私は今行くよ、と言う。試験に受かったら向かうよ。大学入試の準備をしているの!何年もの後に運命は私をその「ふもと」へと放りこんだ。ジャアロールにある新聞社へ行き来をしている時に交通渋滞で息がつまるような思いをせずに暮らすことが出来る地区を探している時に、私はクレディビ(訳注:ガラタ塔あるイスタンブルのベイオール地区の一角。塔のふもと、の意)を発見した。それはただ私だけのことだったのだろうか?150年の歴史のある建物へと引っ越した時に、家を見にやってきた私の友人も発見したのである。更にはその当時の市長であるダラン氏もガラタ塔を最初に見たのだ!
ガラタ塔が有名だったわけではなく、クレディビも訪れて観光が出来るような地区であったわけではないのだ!私にとってしてみれば、それは泥の中に落ち込んでしまったリンゴのようであった。歴史的な地区を新たに評価するプロセスを、学生時代にパリで実行していなければ私はこの場所には、目を瞑ったきりで引っ越すことはなかったであろう。
数年以内にガラタ塔は、イスタンブルのシンボルとなることに留まらず、テレビドラマの数々でも恰好の舞台となったのだ。地元住人と外国人ツーリストたちが必ずその目の前でポーズをとろうとするアイコンにである!
イスタンブル広域市(İBB)が所有して私営企業によって運営は行われる。
ツーリストたち向けに、ベリーダンサー、民族舞踊の「ターキッシュ・ナイト」が開催されていた。İBBのアルコールへの敵意がその会社を立ち退かせたのである。そしてベルトゥル・カフェテリアとしての経営をスタートしたのだ。だがそれもİBBが選挙においてその手を変えてしまうまでのことだった!文化観光省が含まれる打開策によって何百年もの間、市の所有であった塔の改装を、とあるワクフにやらせてその手から奪い去ったのだ!
もはや権利も法でさえも実行力を持たず、İBBの法的な嘆願も何の役にも立たないのである。省庁はプロジェクトでさえなく、入札が公開して行われず、突貫工事で特権的な会社へと明け渡してしまったのだ、塔を博物館へと変えてしまう改修工事をだ。私は博物館にしてしまう事に異論はない。方法とスタイルが間違っているのだ。信じられない形で突き出た支柱は、雨燕たちが生き残れるようにと、懇願をして設置されたのだ。毎晩、塔の頂上から下へ向けて排出される採掘が私の注意を引くのである。これらは一体何を破壊しているのだろう、と考える。レストランの廃墟だろうといっていたのだが、蓋を開けてみたらばそれは、入り口の円柱を、電気ドリルで削りとっていたのである!(この間にヒルティ社は、私たちのメーカーの名前は出さないで下さい、私たちに罪はありませんから!と叫んでいるのだ!)物語の残りはご存知でしょう。
私の塔を救いだすことは出来るのでしょうか、もしくはプロジェクトでさえなく、ここを修正してください、ここを取り除いてください、というやり方で破壊をおこなう人たちを見るのだろうか。このものたちにピサの斜塔を明け渡せば、傾いているといって修正しようとするのだろう!
何よりも私はこれを以下の事態のために書いたのである。
イスタンブル運河と言われる「狂ったプロジェクト」があるでしょう。この事件のスケールが巨大化したものだ。誰か一人がガラス細工の店へと、像と共に突っ込んでいるとすれば、もう一方ではノミのせいで布団どころか、故郷を焼いているのだ!(訳注:蚤のために布団を焼く、で短気を起こす、の意)
■運河の物語、賃料が最高
電気採掘機によってではなく、何十トンもの爆薬によって入り込んで巨大な半島を分けるのである、島を作り出そうとする人たちの頭は全く凡庸なものだ。100年間も予期され続け、発生が差し迫った状態であるイスタンブル地震を引き起こしかねないものであり、ホラー映画でさえも類をみないような形で、ダムの中にある水がそれぞれに入り込んでいくのである。イスタンブルの貯水池がなくなってしまう中で重金属を含む水が飲料水と混ざり込んでしまい、村々は水の底に沈んでしまうのである。農業地帯は消え去ってしまうだろう。
誰一人としてそこを通過しようと思わない、その運河の建設が、断層が震えさせることによって地震が発生するだろう。スタンブルはマグニチュード7.8の規模で揺れに襲われ、道路のビルディングは壊されてしまうだろう、街が消えてしまうのだ!10万人のぼる死者が出ることだろう、亡くなった人々ではなく、生き残った人でさえ、そこまで貶められてしまうと生き残ったことを後悔さえすることになるだろう。イスタンブルでは何十万もの建築が全壊してしまうだろう。
その後で彼らはきっとこのように言うのである。待ってください、あなたは間違いを犯しましたね!イスタンブルを裏切りになったのです!彼らのいう事に耳を傾ける人間など存在はしなければ、理解する人もいないのである。なぜなら彼らはもう地面の下に存在になってしまうからだ!ガラタ塔へとパルス付きの電気ドリルで入り込む人たちを見るが良い、イスタンブル運河を建設するために何百年もの間イスタンブルへと一体何千トンの爆発物で侵入した人たちに一体なにが起こったのか、想像してみるのだ。ベイルートの港の廃墟には遊園地が残るだろう。
İBBはイスタンブルの住民に情報を伝えるために自身のビルボードに掲示した『運河(建設)かイスタンブル(を守る)か』というポスターは裁判所の決定なしで知事府によって違法なやり方で真夜中に撤去された。住民にお知らせをすることさえできないのである。そして勿論、この無法な行為をカーディが行っているとすればあなたは一体どのカーディに文句をいうことができるのだろう?
イスタンブル運河の狂気のために支払われる全てのクルシュは、イスタンブルの地震のために崩壊し得る建物の撤去、地震のための予防の政策のために支払われなければならない。ネロン(訳注:DCコミックスの作品に登場する架空の悪魔キャラクター)のように都市を破壊してしまい笑いながら眺めるのを望まないのであれば、運河を開くことは諦めて、地震に対して闘うべきである。さもなくば、この地震で亡くなるであろう人々の罪は、地獄に落ちてから問われることになってしまう!
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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:49797 )