「女に航海はできない」と長らく言われてきたが、169年に渡って人々の移動の足となってきたイスタンブル広域市海上路線にて、初の女性運航士が誕生した。現段階では、彼女たちはボスポラス海峡の初の女性運航士として8:00-17:00の時間帯で船上での勤務にあたるが、彼女たち用の船室の準備が整い次第、他の運航士らと同じく24時間勤務にあたる予定だ。初の女性運航士らの年齢は19歳〜23歳で、高校または大学にて航海技術の専門教育を受けた5人からなる。彼女らの夢は船長となることだ。彼女らは、海洋専門高校を卒業し、インターンシップを経て航海経験を積んだ候補者の中から選ばれた。加えて、各々の将来設計、仕事への熱意、組織方針との適応性なども選考基準となった。
■彼女たちは変化をもたらす
海上路線代表取締役のシネム・デデタス氏は、採用過程において性別の要件を排除したと述べ、運航士になりたい女性に向けて次のように語った。「これまで我々のところでは誰一人女性の従業員はいませんでした。我々の新しい仲間はみな情熱を持っていました。船で働くことを本人らが強く望んでいたのです。彼女らは我々のところで働く他の運航士らと同じ手順を経て採用されています。やる気もありスキルも充分です。私たちとしても、喜んで彼女たちを受け入れました。わたしは好きなことに情熱を持って取り組む、という仕事への姿勢に対して、男女の区別をしないべきだと考えています。好きなことに情熱を持って取り組む、という仕事への姿勢は、仕事のクオリティに変化をもたらします。 女性の皆さんは安心して我々のところまでご応募ください。」
■船長になりたい
最年少はディララ・チャパさんだ。弱冠19歳である。船長になることが夢だという彼女は次のように話した。「海上路線が女性運航士の採用をしていることは知らずに応募しました。船上で男女の差など関係ありません。皆がする仕事は同じです。乗客の皆さんも私たちが乗船していることを快く思ってくださっているようです。先のことは誰にもわかりませんが、海上路線初の女性船長も私たちになるかもしれませんね。」
■拍手をして「素晴らしい」と称える乗客
イムラン・バヤルさん(21歳)も、乗客らの反応がすこぶる良かったと話してくれた。「船で私たちを見かけた乗客の皆さんからの反応がとても良かったです。表情からみなさんの驚かれた様子を読み取ることができました。私たち全員に注目が集まります。『彼女たちはちゃんとできるんだろうか』といって見てくる人もいます。でも私たちはちゃんとやっていますし誇りを持ってやっています。」「看護師になれ。先生になれ。」などといった周りからの声に流されず運航士となったアイヌール・アヴジュさん(21歳)も、次のように話してくれた。「学生の頃、わたしは『運航士なんてやめろ。看護師、先生、医者になれ』と言われてきました。でも今乗客の皆さんからありがたい反応をいただいています。祈ってくださる方々、『素晴らしい』と讃えてくださる方々、拍手をしてくださる方までいるんです。」
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( 翻訳者:田辺清鼓 )
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