コーカサス、敗者はアルメニア、米、フランス
2020年11月11日付 Cumhuriyet 紙


西洋諸国の支援がついているパシニャン氏は、ただ彼が敗北をしただけではなかった。自国をもまた敗北させたのだ。まさに選挙に精一杯のアメリカと、国内で政権の貧弱さを露呈しているフランスもまた負けたのだ。

ソロス的なデモンストレーションを用いて政権に就いたニコル・パシニャン氏は、ただ彼が負けただけではなく国もまた敗北させたのである。現状で敗者のリストは更にもう少し長くなる。選挙事業にかかりっきりになっているアメリカ合衆国、国内で政権の貧弱さを露呈しているフランス、カラバフの問題を自身の利益のために利用しようという目論見で結成されたミンスク・グループの存在はもはや何の意味もなさない・・・。

カフカスにおける決定的なアクターが、もう一度自分自身を提示した。ロシアである。アゼルバイジャンとアルメニアの間で継続している衝突のさなか、一体どのような形であったとしてもロシアのヘリコプターがアルメニアで撃墜された。アゼルバイジャンは撃墜させたということを認めた、賠償金が支払われることになる。停戦の進展は実際のところトルコとロシアの間で醸成されたようだ。ヘリコプターが撃墜されたことも事態の急速な進展の媒介となった。

アルメニアはロシアにとって露軍の「防衛部隊駐留国家」であったが、現在は「歩哨詰所設置国家」となっている。つまり重要度が下がっている。ナゴルノ・カラバフはアルメニアのコントロール下にあったが、もはやそうではなくなった。

ロシアは軍警察を配備している。ロシア政府が獲得したこの地位はロシアに、アルメニアがコントロールされ、アゼルバイジャンがバランスを保つ可能性を提示するだろう。ロシアは「立場をもう一度示した」、カフカスの人々に対して、誰も入り込むことを許さないということを宣言した。

■アゼルバイジャンの平和

今日においてカフカスにおいて国家となることは、西ヨーロッパにおいて国家となることと同じではないのである。アゼルバイジャンは、独立を獲得したのちの期間を無駄にはしなかったということをカラバフにおける最新の衝突において明らかにしたのだ。彼らは軍を教育し、装備を整え、準備をおこなったのだ。

外交的なバランスもまたよく読み解いて、考察し、やってきた機運を逃すことはなかった。しかしながらカラバフが完全に占領から解放されたわけではないということもまた真実だ。これに対しても、実際のところロシアが目を瞑ることは見込まれていなかった・・・。

イルハム・アリイェフに対して外から、「デモクラシー」の批判を行うことは、あまり良い意図に基づいたことではない。なぜならば擁護された「デモクラシー」を、和解がもたらされた夜にエレバンで発生した事態と共に目の当たりにしたからである。バラバラにされること、カオス、複雑さ・・・。
アゼルバイジャンは、残っているカラバフの土地を占領から救い出すために常に準備が出来ていなければならない。なぜならばアルメニアにおける統治の理解は、いつでもその機会をもたらすポテンシャルを十二分に内包しているからである。

■「アルツァフの悪夢」

あり得ないほどに恋い焦がれている国だ。このために実に沢山のことを失ったし、失い続けている。アルメニアとパシニャン大統領は、最近新たな夢を見たようである。アルツァフ共和国だ。これが悪夢に代わり得るということは、彼ら以外の全員が予想をしていたことである。毎回自身を世界から切り離し、ロシア政府とより重い鎖でつながっている。あり得ない主張をして石油パイプライン、天然ガスのパイプラインそして線路をグルジアから通す原因となり、疎外化されたのである。

現在のところ孤独の象徴といった状況である。占領下においたアゼルバイジャンの土地を荒廃させた。カラバフに集めた旧式の武器は死以外の他のものはもたらさなかった。敗北と共に将来の何十年をも失ったのだ。

■トルコの役割

トルコ政府は、一方ではカラバフのバランスを取ろうとしているように見受けられる。一度、停戦の構造をモスクワと作り上げた。和平監視者として結成される予定のメカニズムにおいて位置を得ることになるだろう。アルメニアが、戦い獲得した3つの地域から撤退することを監察する予定だ。

客観性に基づいたロシアの外交政策もまた「トルコの位置」を認めたという状況にある。カラバフの問題において提示された客観的な外交政策の理解は、ただちにエジプトとシリアにおいても適用されなければならない。

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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:50166 )