廃棄物輸入の急増で再生施設で燃え上がる炎
2020年12月28日付 Milliyet 紙

トルコにヨーロッパから輸入される廃棄物が記録的なレベルに達する近年、再生施設で発生する火災の増加が注意を引いている。「不審火」を地図に記しているセダト・ギュンドードゥ准教授は、「ここ1年で63件の火災が発生した。3年で132件である。1年で3から4回火災が発生する工場がある。輸入された廃棄物の一部がこのような形で焼却処分されている。こうした工場火災は、数カ国でインターポールの報告書に犯罪として記録されている。」と述べた。マルマラ大学環境工学科のバルシュ・チャルル教授も輸入後、再生に費用を要する廃棄物が焼却されていると述べて、焼却されたプラスティックが発がん性のガスを拡散させていることに注意を引いた。

■意図的である

マイクロプラスチック汚染に関する調査を行うチュクロヴァ大学水産学部のセダト・ギュンドードゥ准教授は、トルコでここ3年間増加しているプラスティック及び再生施設で発生している火災を示す地図を作成した。トルコで再生施設においてここ3年間で132件の火災が発生していることを突き止めたギュンドードゥ准教授は、この火災が意図的に起こされた可能性があると注意を引いた。トルコに輸入される廃棄物の一部がこうした火災によって処置されていると主張した同准教授は、彼が確認したことを本紙に次のように説明した。

「意図的な火災は、一般的に再生施設で生じている。焼えた施設群の一部は、インターポールによる報告書にもあるように、プラスティックごみの輸入に関係がある可能性がある。2020年だけで63件の火災が発生している。このデータは、メディアに取り上げられた火災を私が分析して手にしたものである。これほど頻繁に火災が発生するのは、普通ではない。こうした火災が意図的に起こされている可能性がある。私が知っている工場もある。1年で3、4回火災が発生している。こうした工場の火災は、国によってはインターポールの報告書によると罪に問われる。輸入された廃棄物の一部がこのような形で焼却処分されている。プラスティックごみが焼却される際、1トン当たり1トンに近い二酸化炭素が発生する。二酸化炭素だけではない。その中には、ダイオキシン、重金属、フラン、PCBといった化学物質が含まれる。これらの全てが発がん性物質であり、ホルモンに影響を与える。さらに、致命的な病気の原因になり得る。ぜんそくの原因にもなり得る。こうした燃えたプラスティックは周囲に粒子や化学物質を放つ。周囲に養鶏場があると、肉や卵に含まれる。畑があるならば、育てているものに含まれる。これらの多くは、残留性有機汚染物質である。」

■廃棄物の輸入は137倍増加した

グリーンピースのデータによると、トルコはヨーロッパからプラスティックごみを購入する第1位の国である。EU諸国から2019年に輸入された1400万トンの廃棄物のうち58万2296トンがプラスティックである。2019年にプラティックごみの輸入は、最高水準に達し、月当たり平均4万8500トンに上昇した。輸入先のトップ5は、イギリス、イタリア、ベルギー、ドイツ、フランスである。2004年から今日までプラスティックごみの輸入は173倍に増加した。これは、毎日213台のトラック満載のプラスティックが我が国に投棄されたということである。

■環境と健康問題

マルマラ大学環境工学科のバルシュ・チャルル教授は、トルコが近年に急速に国外から再生用のプラスティック廃棄物を輸入しているのに注意を引く。「プラスティックが来ると、こうした施設に基本的に篩に掛けることなく収められる。完全に再生可能な質の物でもない。再生できない廃棄物が堆積する。業者は、アダナで生じたように道端に廃棄するか、保険をかけているならば施設を燃やす。こうして金を費やして処分する必要があるプラスチックから免れる。再生処理しないプラスチックが屋外で燃えると、環境や健康問題を引き起こすことになり、ポリ塩化ビニールから発がん性のガスが出る。」

■監督すべき

トルコ技師・建築家協会の環境工学部門のアフメト・ドゥラン・カフラマン代表は、「年間132件の工場火災が発生するのは、監督不行き届きであることを示している。こうした火災で発生するのは炭素、発がん性の蒸気である。燃える物の中に紙、ボール紙、板片があれば、炭素が拡散する。」

■何日も燃えた

廃棄物輸入がトルコで急増していることは、環境団体によってしばしば話題に取り上げられてきた。アダナで道端で焼かれたイギリスからのゴミは大きな反発を集めた。民族主義者行動党のカフラマンマラシュ選出国会議員であるセフェル・アイジャン議員は、先月議会で会見を行い、廃棄物の輸入を停止するよう求めた。

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2020年09月14日付 Cumhuriyet紙 危険な輸入品

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:50375 )