ドイツの有力紙である南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeitung)に掲載された記事が、ドイツで根を張り始め、危険な存在となったフェトゥッラー派テロ組織(FETÖ)の「闇の構造」について警告を発した。ドイツの弁護士クリスチャン・ランプ氏は、FETÖがイルミナティ教団よりも危険だと語った。
ランプ氏はFETÖが見えない形で繋がった組織であることを指摘し、「ギュレンの信奉者たちは社会のあらゆる領域で、強固な結束と忠義で結びついた組織構造と化した。秘密結社イルミナティを上回る影響力を持つ、言わば陰謀集団だ」と説明した。
■州から97万5000ユーロの援助
FETÖを「ギュレン運動」と記述した記事によると、バイエルン州が組織の「Frohsinn(快活)」と名付けられた教育系団体に年間97万5000ユーロの援助を行っているという。
組織がバイエルンで根を張っていることが指摘され、次のように記された。
「運動のひとつの特徴は透明性に欠いていることだ。このネットワークはほとんどの場合気づかれずに30年間アウクスブルクでも活動している。Frohsinn協会は2009年にミュンヘン、インゴルシュタット、ノイウルム、ラーベンスブルクの関連団体と、全寮制の女子中学校と女子高校を設立した。バイエルン文化局のデータによれば、現在164人の女子生徒が教育を受けており、バイエルン州は学校に年間97万5000ユーロを援助している。生徒の90パーセントはトルコにルーツを持つ。学校はリヒテンシュタイン、オーストリア、スイスからも生徒を受け入れている。」
■組織メンバーの「ブラックボックス」評
記事では、FETÖの代表者らが2016年以来約束してきた透明性が未だに確保されていないことが強調され、組織の一員による「運動には『ブラックボックスが』存在する。その中が明かされなければならない」との発言が掲載された。
また、記事に写真が掲載されたアウクスブルク市の元共生課担当のマティアス・ガルテ(Matthias Garte)氏は、「Frohsinn」という名の団体は「謎」であると説明し、「その背後に何かのネットワークがあるのか私たちは疑っていた。2015年に役職を離れるまで、責任者たちはイスラムが、もしくは運動が自分たちにとって重要な役割を担っていることを認めなかった」と語った。
記事はトルコの官僚機構、司法機構、軍、警察の内部に、数十年に渡って何十万人ものFETÖ信徒がいたことを指摘している。
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( 翻訳者:小林佑輔 )
( 記事ID:50556 )