パレスチナにトルコ工業特区、官報に発表
2021年02月14日付 Hurriyet 紙


パレスチナのジェニーン市に設置される予定の工業特区(OSB)に関して重要な一歩がとられる。官報で発表された決定により、ジェニーン工業特区はトルコ初の国外工業特区となる。

トルコ初の国外工業特がパレスチナに建設される。この件に関する決定が、レジェップ・タイイプ・エルドアン大統領の署名をもって官報に発表された。この決定は、トルコ商工会議所連合会(TOBB)傘下のTOBB BİS工業技術特区法人により、パレスチナのジェニーン市に特区を設立するを許可するものであると発表された。決定の意義についてプロジェクトを進めるTOBB BİS(平和のための産業)法人のアフメト・シェケルオール代表取締役がHurriyet紙に語った。

■特別な決定

シェケルオール代表取締役は次のように述べている。「我々にとっては特別な決定だ。トルコにとって初の国外特区となるという名誉を我々は手にしている。レジェップ・タイイプ・エルドアン大統領をはじめ、このプロジェクトのために多大な尽力を果たした当社のリファト・ヒサルジュクルオール社長、そしてプロジェクトに貢献したすべての人々に感謝する。また、これまでのプロセスを支援してくれたパレスチナとイスラエル当局者にも感謝したい。長い過程を経て、現在の地点までたどりついた。簡単な地域ではない。パレスチナ政府の担当作業には少々時間もかかった。しかしもう我々は、このプロジェクトが迅速に完了することを期待している。たとえば高速道路がなかったが、高速道路の建設工事は大幅に進んだ。発表された大統領決定により、同地域へ投資しようとするトルコの起業家にインセンティブが与えられれば同地域の魅力も高まる。また、この工業特区はパレスチナ経済にとってもほっとひと安心な場となり、世界への玄関口となるだろう」

■132企業が参加

長い間、作業が続いて来たジェニーン工業特区は、6000平方メートルの大区画が44、3000平方メートルの中区画が47、500平方メートルの小区画が41と、合計132区画。合計面積は1万500平方メートルで、大小さまざまな規模ぼ132企業が活動可能となる。またこのプロジェクトの枠組みで、5000人に直接雇用を保証することが目指されている。さらに同枠組みでの間接雇用者は1万人を超える見込みである。 またドイツ復興金融公庫(KfW)が金融支援する地域を運用するため、トルコ企業の一社であるALKE社が2019年11月に契約を締結した。

■決定はアンカラ・フォーラムで

ジェニーン工業特区は、トルコ商工会議所連合(TOBB)の先導者となり、イスラエル側とパレスチナ側が出席した、2005年のアンカラ・フォーラムの開催期間中に発案された。
TOBBは、この案を発展させプロジェクトを推進するために、傘下にTOBB BİS(平和のための産業)社を設立。 TOBB-BİS社は、ヨルダン川西岸の工業地帯用地を収用するのに、2014年のあいだに1000万ドルをパレスチナ国家に支払った。そして2016年5月、TOBB BİS社により整備されたジェニーン工業特区の基本計画がパレスチナから承認された。それと同時に、約200万ドルの追加投資により、土地周辺を整備し金網をめぐらせた。こうして、1995年にドイツのグループが実現可能性調査を開始してから20年後に、ようやく初の掘削がジェニーン工業特区で実施されることになった。特に米国への輸出をもくろむトルコ企業にとっては、パレスチナと米国間の自由貿易協定も、この計画の価値を高める要素である。同様に、中東市場へ輸出する製造者にとっては、ハイファ港から40 km、ヨルダン国境から50kmのジェニーン工業特区は物流の観点からも大きなアドバンテージになる。

■地域にとっては希望の光

TOBBのリファト・ヒサルジュクルオール社長は、「『平和のための産業』をスローガンとして設立されたTOBB BİS社は、パレスチナのジェニーンに、集合工業特区を設立するための努力を続けている。国外初となるトルコ工業特区を支援してくださっているレジェップ・タイイプ・エルドアン大統領と、ムスタファ・ヴァランク取締役に感謝している。アフターコロナ時代に加速化する特区は地域にとっては希望の光」と述べた。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:50678 )