高等教育機構(YÖK)による「特別学生」身分の濫用への対策が発効した。これによると、「特別学生」身分は一度に最大2学期間有効。なお、この期間は特定の条件下で延長できる。
「高等教育機関における短期大学、大学レベルのプログラム間の編入、ダブルディグリー、副専攻、教育機関間における単位互換実施基準に関する規則の変更の実施に関する規則」が17日の官報に掲載された。規則によると、特別学生身分は一度につき最大2学期間有効。なお、この期間は[病気、ハラスメント被害など]特定の条件で延長できる。病気による延長には、国立病院か国立大学病院の病院委員会による報告書(sağlık kurulu raporu)の発行が必要で、学生が居住する県では治療できない深刻な病気の診断か、病気の進行が示される必要がある。ハラスメントを受けるなどして学生が通学できない場合は、所属する高等教育機関の理事会による指示で延長が可能。国外の高等教育機関に所属するトルコ国籍の学生に対しては、「特別学生」身分は最大2学期間有効。
■「特別学生制度は貴重な機会」
高等教育機構はこの件に関して報道発表を行い、学生が本来の所属とは別の高等教育機関に通学できる「特別学生」身分は特定の期間に限るものであることを強調した。機構は、この制度が学生にとって異なる環境に触れ、成長を促すために正当で重要だとしつつ、「このほかにも、健康上の問題やハラスメント被害などの理由で所属する高等教育機関で教育を続けることが困難な場合もある。こうした学生にとっても、特別学生制度は貴重な機会となる。しかし、あくまで特別学生は例外的なもので、在学期間すべてにわたって使用されたり、濫用されるべきものではない。評価は成績に基づくものだ。これらを許せば社会正義と機会均等原則が侵され、公序良俗(kamu vicdanı)が害される」と説明した。
■「制度が濫用されはじめた」
機構は、高等教育のすべての受験生のために大学への入学と運営において「社会正義」「公平」が譲れない原則だと明かし、「われわれはこの原則からの逸脱を認めない。残念なことに、一部の学生は入学試験の点数が低いため不合格となった大学に、他地域の大学に籍を置いた上で『特別学生』として通学している。つまり成績が満たなくても、学位こそ得られないが、望むとおりの県、大学であらゆる教育を受けることができる。また、こうした事例は国内だけでなく国外にも拡大しており、トルコ国内の高等教育機関に合格できない学生が国外の高等教育機関に籍を置き、特別学生としてトルコ国内の高等教育機関に通学している。これは社会正義、機会均等原則となじまない。これらの例が示すとおり、特別学生制度は濫用されはじめている」とした。
■「社会正義と機会均等を重視している」
発表では特別学生制度の濫用への対策が説明され、「公正で道義的な根拠に基づくこの例外的制度の『目的に適った使用』を確保するため、制限を設定した。一方で特別学生が、所属する高等教育機関で教育を続けられない場合は期間の延長を認める。新たな高等教育機構として、われわれは社会的正義と機会均等を重視している。われわれはこの原則に沿い、確固たる意志をもって濫用に立ち向かう。成績と特性が唯一の評価基準となる、若者にとって公平な高等教育制度のために歩を進めている」とされた。
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( 翻訳者:麻生充仁 )
( 記事ID:50923 )