コロナ禍での輸出成長
イラン税関局長は「今年第一四半期に、金額ベースでは100億7百万ドルに相当する3千万トンの商品が我が国の税関から世界各地に輸出された。前年の同時期と比較すると重量ベースでは38%、輸出額では69%の成長を遂げた。」と述べ、以下のように説明した。「この時期に、金額ベースでは100億2百万ドルに相当する840万トンの商品が輸入された。前年の同時期と比較すると重量ベースでは6%減少し、金額ベースでは34%増加した」。
商品の通過貿易収入の増加
イラン税関局長は「今年第1半期のイラン領内を通過した外国製品の総量は274万2千トンであり、前年同時期と比較すると121%の増加を示した。先に示した通り、これは通過貿易の回復の兆しであり、おそらく数か月で黒字回復となるであろう。」と発表した。同氏は税関で検知した密輸品の統計にも言及した。「今年第1四半期、特に国境の税関において職員は5300億トマーン相当の密輸品を発見することができ、これに関して580品目の調書が税関で作成された」。
対外貿易の舞台裏
イランの貿易収支がプラスとなったことは良い知らせだろうか。テヘラン商工会議所の貿易促進輸出拡大委員会の責任者であるモハンマド・ラーフーティーは先週、輸出に比例した輸入制限が設けられたと発表し、こう述べた。「輸出為替の使用を希望する者は、自身が取り扱う部門でのみ輸入を行わねばならず、また、他者へ外貨を譲渡するためには州の産業鉱山貿易機構【訳注:産業鉱山貿易省の管轄部門】の承認を得なければならない」。同氏は、輸出を行うことで輸入可能となる品目リストが1000項目から3017項目に増加したことに関する報道の一部に言及し、「通達第177号【訳注:輸出業者が輸出によって得られた外貨を国に返還する「外貨支払義務」に関してイラン政府経済調整本部が決定した通達】に基づいて輸出に比例した輸入制限の問題が取り除かれ、各メーカー、輸入業者が輸出で得られた外貨を使用できるならば、これらの品目の増加は貿易と生産の利益になり得る」と述べた。
同氏はこのようにも述べた。「通達第177号が発せられるまで産業鉱山貿易省は全ての問題が中央銀行の諸決定に起因するものであると見なしていたが、現在この問題は、昨年のアーバーン月【訳注:西暦2020年10月22日から11月20日】以降現在まで全権が産業鉱山貿易省に委任されてきたことを考慮すると、この問題の発生をどのように正当化するのかが議論の的となっている。」同氏は続けた。「過去の経験からすれば、大抵NIMAシステム【訳注:米国の経済制裁に対抗し輸出入品に関する外貨の割当てをイラン政府が定めたシステム】において外貨供給の減少が見られると、輸出に比例した輸入制限という措置も混乱をきたす。NIMAシステムにおいてより多くの外貨供給を促すために、この混乱が利用されているようだ。過去三年間の対策がこの問題を解決することができなかったために、「外貨支払義務」に関わる問題の解決に向けて通達第177号が発令されたのは明白である。故に再び変更があれば「外貨支払義務」の履行がもう一度問題に直面する可能性もある」。
新政権の貿易における希望的観測
次期イラン大統領に選出されたセイエド・エブラーヒーム・ライースィー師はイランの対外貿易の規模を四年以内に350億ドルから700億ドル以上に拡大させることを約束したが、この数字は完全に希望的観測に基づいた目標であり、経済活動家や専門家の見地からは制裁の存在やイランの財政金融関係が苦境に立たされていることを踏まえると、その実現は困難であろうと考えられている。特筆すべきは同師が隣国へのイランの石油以外の輸出を二倍に増やし、200億ドルから400億ドル以上に成長させるために努力すると述べたことである。この壮大な目標設定のために同師は四年の期間を必要としているが、新政権による経済チームが結成され、ライースィー師が公約した目標実現に向けた計画を発表するのを待たねばならない。
主な輸入先
国 /重量(千t) /輸入額(億ドル)
UAE /2.5 /32
中国 /0.683 /22
トルコ /0.888 /10
ドイツ /0.239 /4.14
スイス /0.472 / 3.84
計 /4.772 /71.88
割合 /57% /70%
主な輸出先
国 /重量(t) /輸出額(億ドル)
中国 / 7.1 /31
イラク /9.6 /23
UAE /3.4 /13
トルコ /0.663 /5.95
アフガン /1.4 /5.70
計 /22.163 /7.865
割合 /74% /73%
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( 翻訳者:YK )
( 記事ID:51467 )