トルコ外相「難民の送り返し、不可能だし正しくもない」
2021年09月12日付 Cumhuriyet 紙
トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣はアンタルヤ県マナヴガトで、アフガニスタンとシリアの難民に関して「アフガニスタンからの人々をすぐに自国に送り返すのは不可能だし正しくもない。現在、難民を自国へ帰還させるために国際社会から従来以上の支援が得られ始めている」と述べた。
トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣はアンタルヤ県マナヴガトで、新聞記者らの質問に答えた。チャヴシュオール外相は、「アフガニスタンからの人々をすぐに自国に送り返すのは不可能だし正しくもない」と述べた。そしてトルコを公式訪問している国連の難民高等弁務官のフィリッポ・グランディ氏と会談したことを明らかにし、「現在、難民を自国へ帰還させるために国際社会から従来以上の支援が得られ始めている」語った。
メヴリュト・チャヴシュオール外務大臣の回答のなかでも特に注目される点は次のとおり。
■「近隣諸国としてシリアに対してイニシアチブをとる」
「難民を、シリアをはじめとしたそれぞれの自国へ帰還させるために取り組んでいる。さらに、近隣諸国としてイニシアチブをとっている。トルコ、レバノン、シリアそしてヨルダン、すなわち最も多くのシリア難民を受け入れている近隣諸国として、である。レバノンの状況は非常に悪い。もちろん強制的に追いやるのではなく、現場で彼らに、すなわちシリア国内の我々が活動している地域で行われているように、イドリブで行われているように、帰還した人々に様々なものを提供し、学校、教育、健康、投資プロジェクトを実装することなどである。欧州は今日まで、「シリア再建反対」を叫んできた。それは正しい。戦闘が続く中、国や地域を再建するのは現実的ではない。シリア政権に対する我々全員の姿勢は明らかだが、現場での生活の基盤となる需要を満たすことは再建とはまた別だ。
■「アフガン難民をすぐに送り返すことは不可能だし正しくもない」
「同じことがアフガニスタンにも当てはまる。しかしアフガニスタンの現状に照らせば、人々をすぐに送り返すことは不可能だし正しくもない。そもそもアフガニスタンには話し合う相手がいない。我々はかつて、トルコとして、アフガニスタンの人々をアフガニスタンに航空機で帰還させていた。前政権時代のことだ。パキスタンにも同じ形で帰還させている。」
■「社会にも不穏な空気がある」
「結局のところ、そう、これは問題で、世界中で問題になっている。新型コロナウイルスとともに、この問題はさらに深刻化しはじめた。また、さまざまな国の発展および経済的困難による移動もみられる。これがグローバルな問題ならば、我々はこの問題を解決するために国際社会として協力しなければならない。我々は、その作業がトルコにおいても問題になっていると考えている。社会にも不穏な空気がある。しかしこれを治安の観点からのみ判断するのは正しくない。さらに人種差別的、ファシスト主義的アプローチで眺めるのは大いなる誤りだ。一方で、これが社会に責任があるものなら、皆一丸となって冷静に分析し、新たな政策を打ち出し、解決策を見出すために、内務省をはじめとした関係機関は努力している。その意味で必要な基盤整備も進んでいる」
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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:51567 )