英国はなぜトルコ製ワクチンを認めないのか?
2021年09月23日付 Cumhuriyet 紙
トルコからイギリスに渡航する人に対し、ホテル隔離義務を免除する場合でもトルコでワクチン接種を受けた人には自宅隔離義務が課されている。なぜこの決定がなされたのか。これは変更されうるのだろうか。BBCトルコのオヌル・エレム氏が英保健大臣、Covid-19データアナリストのティム・ホワイト氏に聞いた。
トルコからイギリスに渡航する人々に対しホテル隔離義務を免除する場合でも、トルコでワクチン接種を受けた人には自宅隔離義務が課される。この義務は撤廃されうるのだろうか。
イギリスは先週の決定で、9月22日から有効としてトルコをレッドリストから除外した。
このためトルコからイギリスに渡航する人が10日間のホテル隔離を行い2285ポンドを支払う必要はなくなった。
しかしイギリスは、トルコのワクチン接種システムとワクチン接種証明を未だ認めていない。
そのため、トルコで接種を受けた人はイギリスへ渡航した際未接種者に数えられ、10日間の隔離が必要となる。
これはトルコからの観光客によるイギリス入国をかなりの割合で阻害している。
イギリスで接種を受けた後トルコを訪れる人の場合は出入国の際にこのような問題にはぶつからない。
トルコで接種を受けた人は、これに加えイギリス入国後2日目、8日目に有料のPCR検査を受ける必要がある。
イギリスで接種した場合は2日目のみPCR検査が行われている。
イギリスが接種システムを承認している国にはアメリカ、EU加入国、日本、オーストラリアのほかに途上国もある。
イギリスではこうした国々から入国する人は、イギリスが承認するワクチンを接種していた場合のみ接種済みとされる。承認されているワクチンはファイザー/ビオンテック、モデルナ、オックスフォード/アストラゼネカ、ジョンソンだ。
国々の接種システムがどういった基準によって承認されており、トルコの接種システムがなぜ認められていないのか、イギリス保健大臣に尋ねた。
BBCトルコに対し書面で回答したイギリス保健省の代表者は基準について、
・様々な国で使用されているワクチンか
・全人口あたりの接種率
・接種証明書がイギリスの基準に合致するか
といった点があると話した。
トルコの接種証明書はEUから承認されているため、証明書基準に照らして問題がある可能性は低いだろう。
2つ目の要素である接種率でも、トルコはリストにあるいくつかの国よりも良い状況にある。
イギリスが接種システムを承認する全ての国の接種率:
この分野でトルコは、イギリスが接種プログラムを承認するEU諸国の多くを上回っている。
■「イギリスの決定は透明性に欠ける」
Covid-19データアナリストのティム・ホワイト氏は、EU諸国内で大きな違いがある場合、イギリスがEUをひとまとめにリストに追加することが政治的により望ましいと考えられる可能性があると話している。
ワクチンの基準でもトルコに問題はないと理解されている。
トルコではシノヴァク、ファイザー/ビオンテックのワクチンが承認されている。
トルコ保健省は今日までの何回分のシノヴァク、ファイザー/ビオンテックワクチンが接種されたかについて情報を公表していない。
イギリスはシノヴァクを承認していないが、トルコでファイザー/ビオンテックのワクチンを接種した人への自宅隔離義務を免除できた可能性がある。
さらに、トルコでも今日にいたるまでシノヴァク製ワクチンを接種した人に追加接種としてファイザー/ビオンテックを使用し、海外渡航予定者の場合は2度の接種をファイザー/ビオンテックワクチンで行っている。
イギリスが接種プログラムを承認している一部の国でも、イギリスが認めていないワクチンが使われている。
例えばブルネイで行われている接種では、中国シノファーム社が開発しイギリスが承認していないワクチンも使われている。
アナリストのティム・ホワイト氏も、トルコで最初に主要となったシノヴァク製ワクチンの接種が問題を簡単にはしてくれないものの、トルコで2回のファイザー/ビオンテック製ワクチン接種が行われていることを無視することはできないという立場だ。
イギリス保健省がBBCトルコに公開した3つの基準では、トルコの接種システムが承認されるに足ることを示している。
保健省は、トルコにおけるワクチン接種をなぜ承認しないかについて、接種プログラムが承認される国を増やすことを望んでおり、このリストが3週間ごとに見直されると明らかにした。
データアナリストのホワイト氏は、イギリスの接種プログラム承認に関する決定が、レッドリストの決定におけるような「透明性に欠ける」ものだとした。
■アンカラの英国大使館:早急な緩和に向け努力している
9月22日、在アンカライギリス大使館も「ワクチン接種証明書に関していくつか質問を受けた。この重要な問題の早急な解決のためトルコと共に努力している」と発表を行った。
イギリス保健省、在アンカライギリス大使館双方の発表は、現在レッドリストから離脱しているトルコの接種プログラムが次回の更新で承認される可能性があることを意味している。
アナリストのティム・ホワイト氏は「イギリスが承認しているワクチンを接種したアメリカ、オーストラリアやブルガリアの国民はイギリスに自由に入国できる一方、同じワクチンをトルコで接種した人が異なる扱いを受ける背景には、どんな科学的な根拠も見受けられない。」とし、またこのように付け加えた。
「イギリスが偽の接種証明書に懸念を示していることも考えられる。」
「接種プログラムを承認している17ヵ国で偽の証明書はより少ないように見える。」
「この問題でトルコができることはあるのか分からないが、あらゆる機会にトルコはイギリスへ圧力をかけるだろう。」
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( 翻訳者:小鉄 )
( 記事ID:51623 )