レバノン:世界的な価格上昇がレバノンの危機に与える影響
2021年11月03日付 al-Mudun 紙
■レバノンの悲劇を悪化させる新たな要因:世界的な価格上昇
【n.p.:本紙】
世界市場は今年の半ば以降基本的な食品および原材料価格の急速なインフレを目の当たりにしており、その品目は石油および石油製品から穀物、青果物、その他食品、鉄、その他鉱物資源まで多岐に渡る。
世界銀行が数日前に発表した報告書「一次産品市場の見通し」最新版は、これらのインフレ圧力が今年末まで続き、2022年上半期を通じて市場の価格が高水準で推移しつづけることを予測した。世界がここ10年経験したことのないような一部商品の価格高騰により、該当する商品を確保するために輸入に頼っている国々は深刻な影響を受けるとみられる。
現在のインフレ進行がレバノン危機の将来に及ぼす危険性を理解するうえで、多くの分析を行う必要はないだろう。レバノンはあらゆる分野における自己充足を達成するために深刻に輸入(燃料、食品、原材料に対する国民の需要を満たすことを目的とするものも含まれる)に依存してきた国の一つである。商品価格の世界的インフレは概して、その輸入に必要な資金源としての国際通貨量の同割合による上昇が並行して伴う。もしドル不足およびそれが現地通貨の為替レートに及ぼす影響が現在のレバノン危機の一面であるならば、世界市場で発生している事態がレバノンの金融、通貨危機を深刻化させることは確実である。
(後略)
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( 翻訳者:植田晴紀 )
( 記事ID:51805 )