EU内務大臣らは、クロアチアがシェンゲン域に含まれることに関するすべての基準を満たしているという件で合意した。
EUの輪番制の議長職を務めるスロベニアのアレス・ホイス内務大臣は、この決定を公表した記者会見において、「クロアチアはこの件を満たしている」と述べた。欧州議会は2019年にクロアチアがすべての基準を満たしていると明らかにしていた。
AFPの伝えたところによると、会合に続き行われた声明では、すべての基準を満たしていると判断されたクロアチアに関する最終決定が後日行われると明かされた。
クロアチアのダヴォール・ボジノヴィッチ内務大臣は、Twitterの投稿で、件の決定が自国の戦略上の目標にさらに近づけるものと話した。
シェンゲン域を構成するヨーロッパ諸国の市民は、域内でパスポートやビザなしで旅行ができる。
また、他国の国民も、この域内の国から与えられるビザによってシェンゲン域内の国々にも旅行する機会を得ることができる。
スロベニアのホイス内務大臣は、発表の中で「クロアチアを祝し、この重要な成功に貢献したすべての者に感謝をする、まさにその時だと思う」と述べた。
同内相は、これがクロアチアがシェンゲン域内に入る最初のステップであると述べ、「残る措置も短期のうちに講じられると信じている。このことは特にスロベニアおよびクロアチア両市民にとって有益であろう。我々の間にある国境が取り除かれるからである」と述べた。
クロアチアがシェンゲン域内に含まれることにともなって同国の旅行業がさらに恩恵を受けることも可能になる。
■2013年に加盟した
クロアチアは、2013年にEUに加盟したが、ルクセンブルクのシェンゲン自治体で署名された1985年の協定によって構成されたシェンゲン域に未だ加入していない5加盟国のうちの一国であった。
ブルガリア、キプロス、アイルランド、ルーマニアもシェンゲン域に含まれないEU加盟国であり、ブルガリアとルーマニアのシェンゲン域加入に関する交渉が続いている。しかし、これらの国々は会合が続く一方で、シェンゲン域の国々が利用できる様々な権利を認められている。
EU加盟国ではないアイスランド、リヒテンシュタイン、スイス、ノルウェーもシェンゲン域メンバーの地位にある。
EUの通貨ユーロの導入を望むクロアチアは、審議過程の中で警察情報を共有することや、国境の安全性を確保するという基準を満たすか否かが吟味されていた。
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( 翻訳者:関口ひなた )
( 記事ID:51987 )