流入シリア人がトルコの人口構造を破壊しないよう、「希釈」が行われている。シリア人の人口が全体の25%以上を占める地域では、一切の外国人に在留許可が認められない。
内務省の統計によると、トルコ国内には一時的保護の資格で370万人のシリア人が暮らす。シリア人に起因する人口構造上の緊張緩和を目的として、新たに対策がとられた。この対策では、シリア人は在留登録された県にとどまることになり、シリア人人口が多い地域では県と市で新たな在留登録は行われず、在留許可が与えられない。シリア人に対しては、その人口が全体の25%を超過しないよう措置がとられる。
■在留登録された県に
この対策措置で、シリア人に対して在留登録された県の住所が逐一確認され、在留登録された県にとどまっているかが明かされた。県外に出ていたシリア人は在留登録された県に送還され、イスタンブルをはじめとするシリア人が多く暮らす県では新たな在留登録が停止された。シリア人は、在留登録の県を離れることが認可制になり、人道的配慮を要する場合を除き現在生活する街から離れることは認められない。
<画像2 シリア人が多い上位4県
イスタンブル:53.5万人、ガズィアンテプ:46.1万人、ハタイ:43.3万人、シャンルウルファ:42.8万人>
■内相「これでおしまい」
スレイマン・ソイル内相は18日、トルコの在留外国人について述べて、「一部地域では人口の25%以上をシリア人が占める。この状況をうけ、在留許可の上限を設けた。これでおしまいということだ。シリア人に限らず、あらゆる外国人を受け入れない」と語った。
■ケンカが起きたアルトゥンダーを「希釈」
アンカラ広域市アルトゥンダー区で起きたケンカでトルコ人1人がシリア人2人によって刺されて死亡した事件をうけ、特定地域で外国人の割合が高くなることを避ける目的で「希釈」計画が始まった。計画で4514人のシリア人が市外に移送された。シリア人が使用していた廃虚309棟が解体され、事業所177か所が閉鎖された。内務省移民局は次のように公表している。
■全ての県に適用か
「第一段階として、外国人人口が1万人を超える県で、社会的な緊張と情勢の変化に迅速に対応できる制度を設ける。[この制度では]外国人居住者を特定し、街区レベルで算出する外国人人口の割合に基づいて、さまざまな形で便宜を図ったうえで合意に基づく外国人の居住地変更を行う。先行してアルトゥンダー区に適用し、その結果を踏まえたうえで全ての県に拡大することを目標とする」。
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( 翻訳者:麻生充仁 )
( 記事ID:52613 )